先日、スーパーキッズオーケストラの演奏会を聴いた。弦楽器だけで規模は小さくしていたけど若々しくて初々しく楽しい演奏会だった。
今日の午後は以前から撮りだめて居た録画の中から、読売交響楽団のベートーベン作曲交響曲第3番「英雄」を聴いた。テンポの速い今までに聞いたことのない第三番だった。
で、今日は先ごろ知り合いになった俳句をしている人が、私の古い句集を読んでご自分の気に入った句を選んでくださった。その中から一部。
絵日傘をくるり微罪を振り払う
また一つ遠景になる風の盆
萩の花零れて叱る人はなし
本降りの手紙が届く冬の屋根
風の子を孕み刹那の恋終る
霜柱夜来の想い溜めてたつ
蝉しぐれ無理が通って秋になる
喝采にうろたえている寒椿
桜闇息を殺して通過する
カマキリの軽く転がる訃の便り
みかん剥く打ち明けようかどうしよか
軽い咳して人情を裏返す
人容れぬままに五月の糸切り歯
悲しみを抜ける手前の蛍闇
きんきんと冬の空鳴る独りかな
花火炸裂無にもかたちのあるしじま
寂しいことは言いっこなしよ芒原
鈍色の月こだわりは解けぬまま
しあわせを裸足で買いに行ったまま
約束はできない春の雪ならば
枯葉にも甲乙つけて掃き寄せる
ひとことが重い荷となるみずすまし
秋刀魚焼く強い男を思い出す
重い歩を運んで秋を葬りに
亡母に似ることの愛(かな)しさ芒原
写真はウイーンの郊外にあるベートーベンのミュウジアムとベートーベンが散策をしながら田園交響曲を思索した道と言われている小径、ハイリゲンシュタットの遺書。
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