ベートーベン 交響曲 第3番「英雄」
朝比奈隆 指揮 新日本フィルハーモニー管弦楽団
1997年、サントリーホールでのライブ録音である。
https://www.youtube.com/watch?v=z5D-T2Im64U&t=2216s
ショルティやカラヤンでの「英雄」を聴き親しんだ私にとって、また今回私のベストで取り上げたウルバンスキーを聴いた後に、朝比奈氏の「英雄」を聴くと、正直なところ、最初は椅子から転げ落ちそうになった。
冒頭、バン!・・バン!・・ターリラーリ、と来るだろう期待するところ、朝比奈氏の「英雄」は、バン!・・・・・バン!・・・・・たーーーーりーらーーーーりーーー
なんというスロー。ゆっくり過ぎないか(・・?
しかし、新日本フィルが、殊の外上手い。
それで少し我慢して聴き進めてみれば、いつの間にか、自分にとっての新しい3番シンフォニーというものが感じられてくる。その斬新で心地よい響き。
ただ単にテンポが遅いだけではない、遅くしなければ作れない音楽像というものがあり、それは朝比奈隆という指揮者にとっては、ベートーベンとは、こうなのだ、という必然でもあったのだろう。
特に第二楽章のフーガから(28分15秒地点)の、大宇宙を思わせる壮大な音楽は、他の指揮者では聴いたことがない。
これはブルックナーか?!と感じたほど。
そのサウンド、音楽は、ウルバンスキーとはまったくの別世界である。どちらが良いのダメだのという問題ではない。繰り返すが別世界なのだ。
それにしても、同じ曲目なのに、こうも違うものなのかと、改めてクラシック音楽の深さ、楽しみを感じさせてくれる。
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