ベートーベン 交響曲 第3番「英雄」
サカリ・オラモ指揮 BBC交響楽団 ロンドン・アルバートホール (2020年ライブ)
https://www.youtube.com/watch?v=LXjJwxU5WbI&t=561s
コロナ対策だろうか、ライブと言っても無観客である。
演奏者同士の間隔がかなり広い。しかし勿論ステージの広さは変わらないので、必然的に演奏者の数は少人数となっている。
ベース3名、チェロ4名、ビオラ6名 バイオリンは第一、第二合わせて10名くらいだろうか(3プルトしかない)
動画を見て数えたので、少し違っているかもしれないが、弦楽器はいずれにせよ通常の半分か、それ以下の人数である。
但し管楽器は作曲者指定があるので、もちろん減らされてはいない。通常のオーケストラと変わりない人数である。
となると、なかなか面白い演奏、響きが聴けて、楽しい。
つまり弦楽器がどうしても少ないので、その分金管、木管楽器の響きがクリアに聞き取れる。
ああ、こんなとこで、こんなフレーズやってたんだあ、とかね。
そして何より、ティンパニーがよく聴きとれる。
パレットも選んでいるのだろう、芯のある鮮明な打撃が心地よい。
白眉は、第二楽章の後半、6分半を過ぎた辺り(全体では25分) からの、葬送行進曲のテーマが繰り返されるシーンからである。
繰り返されるそのテーマは、JSバッハの世界をベートーベン流に再現したかの様なフーガで奏でられ、見事に悲劇的である。
やがて、ティンパニーの打撃が入るそれは、地獄の大門が開かれるが如き。
そして、ダダダ・ダン! ダダダ・ダン!と響くティンパニーのそれは、5番「運命」のテーマと同じ節回しである。
もちろん5番より3番の方が前に作曲されている。ベートーベンは既に「運命」のテーマを使っていたのですね。よほどお気に入りだったのでしょう。
この3番は二回演奏した。最初はセカンドで。二回目はfastで。
やってみれば、オーボエ協奏曲か(・・? と思うほど、オーボエが活躍する。ソロも多い。
セカンドの時はお気楽だったが、fastの時はえらい緊張したのを、今でも思い出す。
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