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2019年02月21日23:38

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【映画】ナイト・チェイサー

原題:Night Fare
2015年 フランス
監督:ジュリアン・セリ
脚本:ジュリアン・セリ、パスカル・シド
出演:ジョナサン・ハワード、ジョナサン・ドマルジェ、ファニー・ヴァレット、他

深夜のパリで、料金を払わずにタクシーから逃げ出したふたりの男。すると、タクシーの中に書いてあった「踏み倒しは許されない 負債はかならず返済される」の標語通り、タクシーはふたりを執拗に追いかけてきた。ふたりは知り合いのギャングのアパートに逃げ込むが、そこにもタクシーはやってきて、運転手はギャングたちを容赦なく殺してしまう。ふたりはさらに逃げると、恋人の女から捕まったので助けてほしいというメールが来る。

深夜の町を、逃げても逃げてもひたすら追いかけてくるタクシー。しかも運転手の行動はどんどんエスカレートし、人を殺すことすら躊躇わない。いったい何者なのか? 実に恐ろしいホラー映画である・・・はずだった。途中までは・・・
追いかけられるふたりは悪者だから、映画を観ている者の胸は少しも痛まない。むしろもっと追いかけられろ、もっと恐怖に震えろと願うほどだ。悪者が怖がれば怖がるほど、観ている者は楽しい。
もっとも、悪者とはいってもふたりの間にはキャラの違いがある。ふたりは2年前に一緒に事件を起こして、ひとりはロンドンに逃げ帰ったイギリス人。そろそろほとぼりが冷めただろうと思って、またパリにやって来たのだった。その間にそれまでの悪行を反省したのか、友人がゴミをそこら辺に放り投げると「ゴミ箱に捨てろよ」と注意するような人間になっている。もうひとりはそのゴミを放り投げる友人で、こちらはもう絵に描いたようなチンピラ。タクシー料金を踏み倒して逃げたのもこいつで、イギリス人はつられてつい一緒に逃げてしまったという感じ。ふたりともどうしようもない馬鹿では単調になってしまうから、違うキャラクターにすることでストーリーに幅をもたせたのだろう。と思っていたら、キャラの違いもまた後半に大きな意味を持ってくるのだった。
ということで、ラストが近付くにつれて意外な展開となり、呆気に取られて戸惑った。いったいこの映画は何なのか? 意外性は十分すぎるほどだ。
ただ、これを受け入れられるかどうかは観る人次第だろう。それによってこの映画への評価は大きく分かれるはずだ。
私としては、アイデアは評価するが、それで映画が面白くなったかといえばうならざるを得ない。もっと単純に、悪者がとことん追い詰められて最後に成敗される映画が観たかった。

極私的三段階評価:△
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