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2020年07月07日08:51

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ジョン・レノンとプルードン

ジョン・レノンとプルードンという読み物があって、それがちょっと驚きの内容。

プルードンの『貧困の哲学』に次のような箇所がある。

宗教における神、
政治における国家、
経済における所有、
いま、われわれはこの三つをまとめて廃棄しなければならない。

筆者はこの一説を読んだ時、ジョン・レノンの『イマジン』が頭に浮かんだという。

『イマジン』は、「想像してみなさい(イマジン)」という言葉に導かれて、一番で「天国」と「地獄」を否定し、二番で「国家」を否定し、三番で「所有」を否定する。

まさしくプルードンが廃棄を訴えている三つが順番もそのままに登場する。

1846年に刊行された『貧困の哲学』と1971年にアルバム『イマジン』に収録された曲とのあいだのこの決定的な結びつきを私たちはどう理解したらいいのだろうと筆者は言う。

125年の歳月を経て、一方はフランス語の著作で、他方は英語の歌で、同じ内容が語られ、歌われていること、これは一体どういうことなのか。そう筆者は問う。

プルードンという名前はなにかネガティブな意味を持って何となくうろ覚えで私は知っていた。

それがどういうことだったのか、次のように筆者は説明する。

「プルードンといえば、マルクスの『貧困の哲学』によって「プチブル」として一蹴された思想家というイメージが長らく続いた。」

なるほど。プルードンの軟弱なイメージはこんなふうに世間知らずだった私にも染みていたのだ。その内実など皆目知りもせずに。

プルードンの『所有とは何か』という著作にこう書かれているという。

「所有とは盗みである」

その通り、と私は思う。私もずっとそう思ってきたよと嬉しくなる。つまり物に溢れた国ほど多く窃盗を行なった国であるということ。我々の住む国ももちろんそうであるだろう。

もう少し、ここに書かれたプルードンの説明を読んでみよう。

自他共に認める「社会主義者」でありながら、所有の否定から単純に帰結しがちな「共産主義」に対して、プルードンは一貫して激烈なまでに批判的であったという。1840年代の時点で、当時の共産主義者たちの思想が実現されれば国家権力による非情な独裁に至らざるを得ないことを、プルードンは危機感を持って執拗に説いているという。そして、その後の社会主義革命の歴史は、まさしく予言通りに展開したと。

これらの論説を読んで私は、19世紀の混沌とした不気味さを孕んだ革命前夜の空気感といったものを、むかし熱中して読んだドストエフスキーがまさしく描いていたではなかったかと、あの人生で唯一の入院期間中に読了した『悪霊』のザワザワとした心持ちのことを思い出す。

(『図書』2018/9 ジョン・レノンとプルードン 細見和之)

Imagine

想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし
僕たちの上には ただ空があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって...
想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...
僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界はひとつになるんだ
想像してごらん 何も所有しないって
あなたなら出来ると思うよ
欲張ったり飢えることも無い
人はみんな兄弟なんだって
想像してごらん みんなが
世界を分かち合うんだって...
僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
そして世界はきっとひとつになるんだ
https://bit.ly/3e2AbJC
https://www.youtube.com/watch?v=wARpk54fv8U


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