ほぼ毎月20日に定期清掃を行なっている。先日は最寄のホームセンターでパーツクリーナーを買い忘れてしまった。それゆえ最低限度の清掃しか行わなかった。パーツクリーナーを使用せずに清掃が可能な場所はフレーム、フロントのスプロケットのうち、最も大きいスプロケットだ。
自転車もクルマも乗る人間として、このスポーツ車は手入れが行き届いているかどうかを見極めるのは矢張りリアのスプロケット(歯車)とチェーンだ。他の部位が少々汚れていても、この部位さえしっかり清掃していれば、手入れしているといえる。逆に幾ら高級なサイクルジャージを身にまとっていようが、この部位が汚れている、錆び錆びあれば、ろくに手入れしていない自転車だと断言できる。この部位は残ったパーツクリーナーを使用したのである。
フレームの清掃には本当はワコーズのスプレーを使用したいのだが、廉価とは言い難いため、自動車用の「フクピカ」(ソフト99社)を使用している。これはコンパウンドが入っていないため、安心して使用出来る。ただ自転車の塗装は自転車の塗装ほど厚くはないはずなので、ウエスやマイクロファイバーの布に沁み込ませてから清掃する。
清掃時にリアディレーラー(ギア)のワイヤーがワイヤーを這わせるパーツ(パーツ名不明)でささくれ立っていることが判明した。
清掃後に試運転するが、この時点では走行上問題はなかった。とはいえ時速30kmも出ている状況、更に下り坂で破断した場合は落車、転倒のリスクがあり、大変危険である。
そこで35年来の行きつけで購入した自転車屋に見て頂くことにした。
ご主人いわく、あのまま遠出していたら、間違いなく破断していたはずだ、と云った。
しかし釈然としない。実は昨秋に点検して頂いた際にステンレスのワイヤーに替えて頂いたばかりである。錆びてもいない、根元が破断もしていない(ワイヤーは根元が破断しやすい)のに、なぜそのようなことが起きたのか。
なお、ステンレスワイヤーはシマノのロードバイクのコンポーネンツでも、上から3つ目の105(いちまるご)以上にならないと標準装備にはならない。
8速のこの自転車には十二分の性能のはずだ。
しかし現実にはささくれ立ち、破断は時間の問題だった・・・。
と思って自転車全体をワイヤーを渡すパーツを見てみると(注・写真;パーツ名が分かる方はご教示ください)、ブレーキのワイヤーを渡す部位とは異様に切り立っている。これが富士山のように勾配があるならば分かる。しかし現実にはエベレストのように、というと言葉が過ぎるが、確かに切り立っている。
ここにワイヤーが擦れてささくれ立つ要因があったのではないか。
まだある。そもそもステンレスワイヤーを渡すこのパーツは樹脂だ。樹脂であれば、パーツの方が先に亀裂が入るとかして壊れるものだ。しかしこちらは全く使用可能なのだ。
店主と議論の末、出した結論は矢張りパーツに構造上の問題があったと結論づけた。
そんなことがあるのかと云いたくなるが、実は「前科」がある。6年ほど前になるが、フロントギアが入らないことがあった。そこで調査すると、何とフロントのリベットの頭が粉砕され、減速は可能でも、加速が出来なくなっていたのである。この時は純正(吊るし)のままだが、当時のウェブカタログを見ると、フロントディレーラーはSHIMNOのM191だった。このパーツ、アルタスでもターニィでもない、聞いたことも無い謎のパーツである。
時としてこの自転車には日本人の職人から見ると、首を傾げたくなるようなパーツがあるようだ。
シマノのアルタス、アセラ、アリヴィオの3種類から選べるけど、どれにする?と聞かれ、勿論アリヴィオにした。この3つの価格差はアルタス→アセラ→アリヴィオの順に500円ずつ高くなるだけだ。アリヴィオは今では9段だが、お店には最後の8段のギアがまだあった。それも最終進化型だ。最早ネットオークションあたりでしか入手できないだろう。
そういった「前科」があるため、今回も別段驚くことではなかった。幸いにして、シマノにパーツがあったので、それに交換した次第である。ワイヤーもそれに合わせて太くした。
ジャイアントのESCAPEは日本で最も売れているクロスバイクだ。果たしてユーザーから同様の声はないのだろうか。
安全にかかわる箇所なので、大変気になるのだが。
最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。
(了)
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