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2021年06月11日23:31

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筋斗雲【60,000km・その1】

■軽より安い普通乗用車との付き合いも8年になった■

2013年、信号無視で突っ込んできた八王子ナンバーの軽を避けようとし、ブリンカーの台に激突させ、単独事故を起こし、以前乗っていたヴィッツのRSは大破した。いや、修理は可能だったが、先方から

「修理するのは良いですが・・・それを頭金にして、1.3Lのヴィッツを買いませんか?廃車費用はうちで持ちます。」

とオファーされた。トヨタ車は「与太車」とクルマ好きからよく馬鹿にされるのだが、決して営業力は侮れないところだ。初代のヴィッツRS を購入時にも大いに世話になったことだし、ローンは終わっていたものの、断われなかった。

購入したのは1.3LのFの初期型の最後のお買い得仕様だった。タコメータとアルミホイールつかないことと、シートの表面以外はUの1.3Lと大差がない。Fはヘッドレストが外せない営業車仕様だが、これは外すことが出来、更にHIDヘッドランプもついている。

ただ今にして思えば、ハロゲンにしておけばよかったかもしれない。カーメイトあたりから1万円ちょっとで互換出来るLEDが出たからだ。当時の価格で車両本体価格は125万円。今や軽すら平均価格は135万円だから、軽より安い普通乗用車との生活になった。この価格でナビがタダとはどういうことだろう。ヴィッツが出た当時はカタログでは22万円とこれまた法大な価格が載っていたのだが。

こんなものよりもちゃんとタコメータをつけろと言いたくもなるが。

事故後ということもあり、吉日と2013年のラッキーナンバーをクルマのナンバーにつけて取りに行った。
あれから8年になった。

クルマも家と似ていて、或る程度負荷が掛かっていた方が元気のようだ。勤め先が一部上場企業に飲み込まれ、多くの同僚や社長、役員や年下の上司がリストラされる中、当然自分もリストラだろうと思っていたら、3年ほど前に新宿区の本部で経理をやれ、とお達しが来たので、行くことになった。それまでは一か月に2,000kmぐらい乗っていたのだが、全く乗らなくなってしまった。おかげで、事務になってから、ナビのボタンの樹脂に亀裂が入ってしまった。尤も修理をする気はない。音楽とラジオが聴けて、今の位置が分かれば十分だ。そもそもナビなしで伊勢神宮だの、金沢の街も独りでクルマで行ける人間である。ナビなんぞ要らないから、タコメータをつけろ、ヤリスにはちゃんとついているはずだと言った程である。

それにしてもヴィッツの3代目の初期型(2014年4月まで)はトヨタ車としては類を見ない程の「手抜き車」だ。馬力こそ1.3Lは100馬力近いのだが、タイヤのサイズは軽自動車以下、横滑り制御はオプションですらつかない(付くのはRSだけだった)。タイヤのサイズの小ささはひとえにカタログの取り回し半径(4.6m)とカタログ燃費(10・15モードで26.5km/L)を飾らんがためなのはバレバレ。

凝ったクルマなんか、無駄。日本人はこれで十分。

そんなトヨタの嘲笑を感じたものだった。特に3代目のヤリスを知っているだけに。亡父は生前1300ccなんぞ、軽に毛が生えた程度だ、と評した。

しかし私から言わせれば、残念だが軽自動車未満だと思った。

ふざけるなよ、と思ったから、社外品も色々とつけたことは以前書いた。

次もこの程度だったら、もうトヨタからは二度と買うまい、そう思ったが、2014年4月以後に出たヴィッツの中期型からは安っぽさは鳴りを潜め、4代目ヤリスはカローラとともに大いに飛躍した。

■50歳までで500万円以下は達成出来なかったが■

今や退職した、私より一回り年上のトレーダーが25年ほど前にこう言った。

「今後日本経済は成熟期に入る。おそらくいくら景気の好い企業でも、ボーナスが増えることがあっても、ベアが増えることはほとんどないと思って大過ない。経済成長も3%で不景気と言っている時代は終わり、3%で景気が順調、そんな時代となる。所得は殆ど増えないのだから、借金がない人間が偉い人、もっと偉いのは現ナマ100万円持っている人である。そんな中、売っても買っても損するクルマなんぞに大金をはたくのは愚の骨頂だ。勿論、それに惚れちゃったならば、何も言わない。もしそうでないのであれば、飽く迄オレの目安ではあるけど、50歳までに乗る車両本体価格は500万円ぐらいに抑えることだ。クルマは家の次に高い買い物だ。クルマの本体に何もそんなに思い入れがないならば、それぐらいに抑え、心豊かに過ごせるもの・・・そんなものがあればだけど、その分投資した方が生活に張りが出てくるのは間違いない。老後資金という見地からしても、クルマはその程度に抑え、定年までに住宅ローンは絶対に完済することだ。なけなしの退職金を住宅ローンの支払いにつぎ込むなんて、愚かな話だ。特に財テクや株やっているやつほどこの手合いが多いのは苦笑に堪えない。あいつら、デフレ経済下なのに借金は悪、という認識がないんだよな。退職金は末期の医療と介護のため、プールしておいた方が良い。」

概ね、彼の言う通りになってしまった。

この人の指南で、50歳までに乗るクルマたちの車両本体価格の合計を500万円以下に抑えることを目標としてきた。残念だが、冒頭に述べたように、事故で全損と相成ったので、この目標は達成出来なかった。定量的に言えば50歳までこのクルマと付き合った場合、合計金額は555万円となる。

■15年乗るならば今後は足まわり強化を検討■

RS以外は硬い割にぶらぶらというのがヴィッツの足回りの印象である。走り出しはいつも軽快だが、センター付近が曖昧で、どっちに向いているのか分からなくなるほど。どっちを向いているのか俊敏に分かるRSとは別のクルマのようだ。クルマによってはシビック・タイプRのように山に持ち込むと激変するものもある。しかし神奈川と東京の県境の大垂水峠、以前小倉美咲ちゃん行方不明事件の際、現場まで山道を走らせた際も悪癖は相変わらず。過去、通勤だけで大垂水峠を2千回は走ったと思うが、そこですらこうなのだ。ということで、余り長く運転したいという気にならなくなる。

車検代と同じぐらいの大枚はたいて足回りを入れ替えたらどうなるのだろうか。乗り心地が俄然良くなるのは間違いない。以前乗っていたRSのG’sはRSよりも一回り大きな205/45R17ものタイヤを履いていながら、驚くほど快適だった。言われなければスポーツ仕立てのモデルとは誰も思わないかもしれない程だったのを覚えている。メーカーが分かれば入手したいぐらいだった。

ただそこまでして乗る程のクルマだろうか。

そのように思ってしまうところ、このあたりも3代目のヴィッツはいかにも悪い時代のトヨタ車である。無事これ名馬、しかしダルなハンドリングと確信犯的に乗り手を飽きさせ、次を買わせるのもトヨタの「伝統的な」商法である。

ともあれ、家計を助けてくれているのは間違いない。自分のようなバブル世代と比較して年収で200万円も安い就職氷河期世代は片目では良いが、両目で夢を見てはならない。マスコミ、週刊誌、広告代理店の謳い文句の「人並みに」という言の葉が通用するのはバブル世代までの話である。

ということで、しばらくは乗り続けることにする。実際、今や軽自動車すらスペシャリティーカー化している中、まるで惜しげもなく使える、「筋斗雲」のような気軽さが残っているクルマは振り向けば最早これしかないかもしれない。付き合いが長いがゆえに散々酷評したが、これは今となっては他のクルマでは得難い性格。

この日は慌ただしかった。半年点検にクルマを預け、そこから徒歩20分の病院で定期健診(いわゆる「メタボ摘発健診」)に行き、取りに来たのちに東村山市の菖蒲を見に行った。

ここ数年はチャリで行っているのだが、久しぶりにクルマで行くことにしよう。

最後まで御覧頂きまして、ありがとうございました。

(続く)

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