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2021年06月06日00:13

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6月4日に台湾に到着したワクチンの大いなる意義

■日本、台湾にワクチン124万回分提供 国内で使用見合わせの英社製
(朝日新聞デジタル - 06月03日 22:06)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6542039

■「64」のタイミングに到着■

「64」とは1989年6月4日に天安門事件が起きた日である。民主化運動の学生たちを広場から蹴散らし、広場から出たところで、人民解放軍の戦車が轢き殺す。そういう事件が平成の初頭にあった。平成の若人たちは知らない人が多いだろう。中国政府は姑息にも学生たちを広場から追い出し、広場の外で虐殺した。

広場の外なので

「中国政府は天安門広場で虐殺などしていない。」

と強弁を弄している。しかもこのことは一切中国の歴史教科書にいまだに掲載されていない。その死者数は中国の「親分」だった、当時のソ連に報告した数字では2万人とされているが、5千人ぐらいだったという説もあれば、その10倍の5万人ぐらいだったという説もあり、ハッキリしない。

兎も角数えきれないほどの学生たちが虐殺されたのは間違いない。

このような国が韓国と共闘で日本にいちいち反省を求めるのだから、何をか況やというものだろう。欺瞞に満ちた中国の歴史認識に対し、先日アメリカのブリンケン国務長官は

「天安門事件は中国政府による虐殺以外何ものでもない」

という趣旨の批判を行なった。そのものズバリである。

中国は過去20年以上に渡り、「革新的利益」を主張して来た。要約すれば、

「チベット、ウイグル、南シナ海、香港、台湾、尖閣は中国のものだ。他国は口を出すな。」

という身勝手な強弁である。手練手管、換骨奪胎でこれらのうち、台湾と尖閣を残し、概ね掌握して来た。最早台湾と尖閣については、中国が攻めてくるか来ないかどころではなく、「いつ攻めてくるか」という段階に差し掛かっているのは間違いない。

中国共産党にしてみれば、他の社会主義国家に対して

「社会主義は或る程度の全体主義は仕方ないよな。でもその下でみんなが豊かになれば良いんだ。」

という統治原理をもとに発展して来た。トウ小平の「改革開放」である。ところが、こんなロジックを使わずとも民主主義国家で経済発展をしている国が目の前にある。

それが台湾だ。

しかも台湾は内省人(昔から台湾の島にいる人たち)、外省人(大陸から来た人たち)が先ず先ず上手くやっている。中国にしてみれば、自分たちの統治原理の欠陥を衝かれかねない。

中国共産党から見たら、台湾はまさに目の上のたんこぶに等しい。

それが日本政府が中国の最も嫌がる6月4日に、それも中国の革新的利益と自他ともに喧伝する台湾に対して、ワクチンを送る事にした意義は大きい。

■アストラゼネカでなければならなかった理由■

日本側の理由はこのニュース記事に書かれている通り、認可はしたが、使用は見合わせている。現在自治体で行なっている接種はファイザーとモデルナが大半だ。アストラゼネカは色々と副作用に難があり、ファイザー、モデルナと同じ接種の段取りにすると、有効率が下がるという見逃せない欠点もあるからである。

日本では武田薬品が既に製造することが出来ると相まって、利害関係も一致した。
しかも増産して送る事が出来ると連絡している。

最初はなぜ評判のいまひとつなアストラゼネカだったのか、と思った。しかし台湾にしてみれば、安全性はチャイナのシノファームよりは上、と判断したこともあるが、数少ない認可されたワクチンがアストラゼネカだったのである。

いや、現状、台湾で使用可能な海外のワクチンはこの一択しかないのだ。

台湾の総人口は約2,300万人。124万回分ということは、2回接種として、62万人分。廃棄せずにすべて使い切れたとしても、現状では全国民の2.7%に行き渡るに過ぎないが、武田薬品が増産出来、現在ストックがこのニュース記事のうち多数あり、一方でまだ日本国内では需要がないため、かなりの台湾人が日本製のアストラゼネカで接種出来るのではないだろうか。

なお、台湾では7月からアストラゼネカの生産が開始される見通しだ。日本政府は台湾での国産化を見通して、コロナの反撃に苛んでいるマレーシアにも提供を検討しているという。

■電光石火のこの動きに「あの人」の影■

ニュース記事にもあるように、最初はコバックスを通じて送ろうという案もあったが、何が何でも6月4日が第一陣でなければならなかったので、日本が単独で送るしかないと考えたのだ。何でも「話し合います」「検討します」と話し合いが好きな日本の政治家にしては実に対応が迅速である。よくやったと思うが、なぜこのような速い動きが出来たのだろうか。

実はこの動き、最もバックアップしたのは安倍前首相だ。おそらく安倍前首相が

「何が何でも6月4日に。そのためならば、いかなる支援も惜しまない。」

と菅首相に伝えたのではないだろうか。

安倍氏でなければ媚中派の「一階でも三階でもない人」に阻まれ、上手くいかなかったことは容易に想像がつく。

流石に反安倍の朝日では安倍前首相の強力なバックアップがあったとは絶対に書けないだろうが。

中国の報道官が苦虫を嚙み潰したような顔で批判たらたらだったから、怒りが伝わってくる。あろうことか、6月4日という最も中国が気にする日に「核心的利益」である台湾に送り付けたのだ。

蔡政権はいち早く、コロナに対して「勝利宣言」はしたものの、ここへきてコロナから反撃を食らっている。PCR陽性者数もじわじわと増え始めている。

ドイツ、イギリスからワクチンを調達しようとしたが、何度となく中国からの陰湿な妨害があったと聞く。その一方でのらりくらりと中国産のワクチンは拒絶していた。

政権基盤を揺るがしかねない状況下で、日本からのオファーは渡りに船だったのだ。

今後報復として、様々な策動が中国から為されるだろうから、台湾も尖閣の領有権を主張しているのは確かではあるものの、先ずは大局的に見て、目の前の危機に対峙することがより重要だ。繰り返すが、最早台湾と尖閣に中国が攻めてくるか来ないかどころではなく、「いつ攻めてくるか」という段階に差し掛かっているのだ。一層友邦国との連携は必要である。

(了)
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