mixiユーザー(id:58808945)

2021年06月04日22:15

130 view

実感なき不景気の怖さが「若肉老食」を深刻化させる

■希望退職募る上場企業、今年50社に 前年比2カ月早く
(朝日新聞デジタル - 06月04日 18:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6543091

日本のようなGDPの個人消費の割合が高い国では、人がたくさん動いて、それで世の中にカネが回りめぐるようになってくれないことには、景気回復はままならない。

恐らく都市部に住む多くの勤労者は昼間に出勤しているからこそ「帰りに〇〇〇駅前で一杯やっていこう」という気になっただろう。それがコロナ下では会食自体が悪とされ、東京都の緊急事態宣言ではついに飲食店でのアルコール提供まで止まっている。仕事はリモートで自宅から、飲食店に行ってもアルコールは飲めないとなるといきおい減るものだ。

こうなると人と会わなくなるから、当然服装も気にならなくなる。人に会わなければ別に服は新しくなくても構わない。そのような生活様式の変化が日本中で起きている。極端な話、リモート会議がない日は技術的には下着姿で仕事をすることも出来る(もちろん私はしないが、(笑))。

このニュース記事に名を連ねている企業の多くは、そういった生活様式とは正反対の側にいる企業なのだろう。

2020年度の日本のGDPはリーマンショックを超える「戦後最大の落ち込み」となり、いまだに浮上する気配すらない。一方で、日本経済は1年半以上の長きにわたる「戦後最大の不況」が進行しているはずなのに、街中では不景気の実感は飲食店程顕著に感じられないのはなぜなのだろうか。

一つ目は4,000万人近い65歳以上のいわゆる「高齢者」への影響は最小限であること

リーマンショック越え、と言いつつ、このセグメントへの影響がなぜ最小限なのかというと、今回のコロナ不況と二度の消費増税を強行した安倍ショックとリーマンショックは構造的に異なるからである。

先ず彼らが受領する年金はこれまでと同じ金額で振り込まれており、破綻の心配をする必要がない。

リーマンショックのときは金融システム全体がメルトダウンの直前にあり、実際、アメリカの大手生命保険会社をどうソフトランディングした形で破産させるかどうかが焦点になっていた。これがもしハードランディングしていたら、日本の高齢者が老後のために蓄えてきた投資信託などの運用資産も紙切れになっていた可能性が極めて高い。ところが今回のコロナショックは高齢者にとっては生命の危険こそが問題であり、蓄えについての心配はない。

出来るだけ家から出ないようにしながら普通に生活を続けていけるのだ。

二つ目は高齢者の「資産」は安泰であること

コロナショックが始まる直前と比べて日経平均が上がっている。これは消費をけん引する富裕層の資産が安泰であることを意味している。

コロナショック下で株価が上昇し続けた理由は日本銀行が上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REET)を買い続けていたからである。今、トヨタやソフトバンクグループ、ファーストリテイリングなど名だたる日本の大企業の第二位の株主が日本カストディ銀行口や日本マスター信託口となっている。これはETFが株主だと言っているようなもので、ひいては日銀が第二位の大株主になっていることを暗示していることも意味している。

三つ目は国民の間に分断が起きていること

現在の日本の勤労者は正規:約3,500万人、非正規:約2,200万人。経済的に危機を感じているのは非正規労働者の大半と正規労働者のうちの3分の1程度。日本の成人人口を約1億人として全体で見れば、3分の1が経済危機を感じている一方で、感じていない人が高齢者の4,000万人を含めると、実に3分の2もいることになる。

大きな問題は若い労働力として社会を支えている20代から40代の世代(特に就職氷河期世代から下の人たち)が経済的に疲弊していることだ。この世代にさきほど述べた非正規労働者の層が多いことからも、事態の深刻さが窺えよう。

放置すればタイトルの「若肉老食」という問題が愈々ひどくなっていくのだ。

家計調査などの統計を調べると、コロナ不況で消費が1割ほど抑えられていることが分かる。それが社会全体の平均だとすると、所得の少ない層はさらに切り詰められるだけ生活を切り詰めていることが統計データからも容易に推測が出来る。

足元の経済状況を見ると、寧ろ民間の在庫は積み増されている。これはひとえにグローバル経済のおかげなのだが、日本の場合は需要が少ないことの方が問題で、この先の不況の焦点となる可能性が高い。コロナ禍で不景気がさらに深刻化し、貧困が広まり始めている。これは社会的に大きな問題だ。

人工的な株式買いの結果、経済危機が顕在化していないという事情があることは、それがいつか悪い方向に転じる可能性が十分あることも、心ある方は念頭においておいたほうが良いのではないだろうか。顕在化する前に事態を好転させるには景気を回復させなければいけないが、2020年春に「コロナはヤバ過ぎる」ということを多くのメディア・政治家・専門家が断言したため、比較的軽微な被害であるにもかかわらず、国民が過度に脅えてしまったのだ。

そしてもはや彼らはその論調を撤回することができなくなっており、「後遺症」「変異種」「若者も重症化する」「3密でなく1密でも感染する」などなど、手を変え品を変え、恐怖煽動に勤しんでいる。しかもそのひとつひとつがまともに数字で語られたことは皆無に等しい。

人口 1億2,600万人の日本の被害(2021年6月3日現在)

PCR陽性者数:747,778人 死者:13,360人

人口 3憶840万人のアメリカの被害(2021年6月3日現在)

PCR陽性者数:32,963,318人 死者:589,555人

アメリカの総人口は日本の約2.6倍だが、被害は2.6倍どころではない。しかし力強く経済を回復させた米国と比べて、いかに我が国がこのウイルスに過度に戦慄し、経済を停滞させ、自殺者を激増させてきたか、ということが問題なのである。特に昨年はこれまた就職氷河期世代から下の若い女性の自殺が激増したのだ。正しく怖がることが日本経済を危機から脱する道ではないか。

(了)
7 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する