名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄本島南部からの土砂採取断念を訴えている沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)が1日午前、那覇市の県庁前広場でハンガーストライキを始めた。有志とともに6日まで水分以外を取らず抗議の意思を示し、沖縄防衛局に計画の断念を、玉城デニー知事に中止命令を求める。
具志堅さんは「戦没者の血の染み込んだ土砂を遺骨と共に軍事基地建設の埋め立てに使うのは戦没者への冒涜」と強調。「政府には戦争で殺された人々、死者に対する畏敬の念が感じられない。国はまず計画を断念すべきだ」と訴えた。
新基地建設に賛成か反対か以前に「戦没者の尊厳を守る人道上の問題」と指摘。「家庭で1食だけでも抜いて、戦没者の遺骨を守るという共感・参加の意思を示して」と呼び掛けた。
沿道への第一声では、沖縄戦時に糸満市の山城壕で家族で生き埋めとなった犠牲者について語った。「助けてぃくみそーりよー(助けて下さい)」と叫んだ母親の思いを玉城知事に届けたいとし、「沖縄戦犠牲者が今なお眠る南部の土砂を軍事基地のために使わせないでください」と求めた。
沖縄防衛局は辺野古の新基地建設に向けた設計変更申請で、県内土砂調達可能量の約7割を糸満市と八重瀬町から採取する計画。糸満市の「魂魄の塔」西側の鉱山では業者が自然公園法に基づく開発届け出を1月に出しており、県が受理すれば工事が再開される。
同所では戦没者とみられる遺骨が見つかるなど南部は沖縄戦犠牲者の遺骨が今も残る。具志堅さんら反対する市民は自然公園法33条2項に基づく風景保護を根拠に、知事が中止命令を出すべきだと訴えている。
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