堺雅人主演の『半沢直樹』(TBS日曜劇場/夜9時〜)が好調だ。しかし北は北海道から南は沖縄まで、南北にも東西にも3000kmにおよぶ日本列島は、地域差が大きい。
絶好調『半沢直樹』の見られ方は、47都道府県で異なるのだろうか? その謎を追ってみた。
視聴率はどのようにして計測されているのか
まず、視聴率がどのようにして計測されているのかを明らかにしたい。ビデオリサーチ(VR)によれば、『半沢直樹』第6話の世帯視聴率は24.3%。ただしこれは、2700世帯の視聴実態を追った関東地方での数字だ。同社は他に、関西1200世帯、名古屋600世帯、北部九州と札幌で400世帯ずつ、他の22地域では200世帯をサンプルに視聴率を測定している。
つまり関東の1都6県や関西の2府4県(三重を入れる場合は2府5県)では、個別の都府県の数字は出ない。他にも岡山・香川や、鳥取・島根のように2県合わせて算出している場合がある。福井・佐賀・宮崎など、個別の数字を発表していないエリアもある。
つまりビデオリサーチの調査では、全国47都道府県別の視聴実態はうかがい知ることが出来ないのだ。
そこで全国204万台のインターネット接続テレビで接触率を測定しているインテージ「Media Gauge」を使ってみよう。
インテージ「Media Gauge」算出方法は、15秒毎に同ドラマが見られていたか否かの平均値だ。サンプルはインターネットにつながるテレビに限られるが、例えば人口55万人ほどの鳥取県でも5000台ほどのテレビで測定している。つまり47都道府県での接触率の違いを、同じ基準で比べることが出来るのだ。
それによると、第6話の接触率全国平均は17.454%だった。
47都道府県別接触率を見てみると
ここで、都道府県別の接触率を図で見てみよう。
『半沢直樹』第6話の接触率が最も高かったのは、実は19.45%の奈良県。全国平均を2ポイント上回った。他に18%以上のトップクラスは、東京・大阪・京都・兵庫・滋賀・沖縄と、合計7都府県。明らかに関西の方が高い接触率を叩き出している。
接触率が低い地域は、TBS系列がない秋田と福井を除くと、15%未満が青森・福島・新潟・茨城・鳥取・島根・山口・愛媛・高知・大分・佐賀・長崎の12県。最低は鳥取の13.00%だった。
こうしてみると、大都市ほど高くなる傾向にある。南関東と関西、そして太平洋ベルト地帯が高い。逆に東北・北陸・中国・四国・九州が相対的に低い。
『半沢直樹』はメガバンク内で、不正を働く経営幹部や管理職と戦う半沢直樹とその協力者の物語だ。そのため、企業活動が活発な地域で接触率が高く、一次産業の比率の高い地域で接触率は低い傾向にあるのだろう。ドラマにサラリーマン社会の歪が反映されているという説にも一理ある。
ただし例外もある。人口130万人で、県庁所在地が36万人を切る奈良県が、接触率で全国トップだった。人口145万人で、県庁所在地が32万人ほどの沖縄県が全国3位だ。どうやらドラマの見方は、さほど単純に決めつけられず、様々なアプローチがあってもよさそうだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する