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2019年09月23日22:12

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ドゥーチュィムニー「ネット上で注目の言論、それって正しい? 過去の過ちから学ぶために気を付けたいこと モバプリの知っ得![98]」

 6月23日は慰霊の日でした。

74年前の、あの悲惨な戦争から私たちは多くの事を学ばなければいけません。
そしてこれからの社会を作る上で、その反省を活かすべきでしょう。

太平洋戦争で見受けられた「自己犠牲の上に成り立つ無茶な作戦」などは、現代社会のブラック企業問題とも酷似しています。過去を知り、学ぶことで、今の社会に根付いている根性論や精神論の成れの果てを予想することができます。

過去の戦争からは学ぶべきことが多いのですが、ネット言論などを中心に、その問題点や沖縄の被害を矮小化する、いわゆる「歴史修正主義」なども多く存在するので気をつけなければなりません。

また、慰霊の日に平和祈念公園にて行われた「沖縄戦全戦没者追悼式」においては、安倍首相の挨拶中に「帰れ」「嘘をつけ」などの大声が飛び交いました。

こうした声を「ヤジ」と切り捨てることは簡単です。しかし、大事なのは先の戦争から現在まで続く沖縄と本土の構造を考え、そこから学ぶことではないでしょうか。こうした「安易な結論」にも注意が必要です。


繰り返される沖縄デマと歴史修正主義

沖縄は戦前・戦中・戦後と、本土と大きく違う歴史を歩みました。こうした独自の歴史などから独自の文化が生まれています。

インターネットを使えば、誰でも簡単に発信者になれます。テレビのニュース番組のコメンテーターになるためには、仕事の実績を積んでテレビ局のスタッフからスカウトされなければいけませんが、SNSやブログは無料で、数分で、匿名で、すぐに意見を投稿することができます。発信のハードルが大きく下がったことで、多種多様な意見が登場する反面、間違った情報が発信されたり、拡散されたり、ピントのずれたコメントなども多く見受けられます。

こうしたネットの「弱点」の被害にあうのは、誤情報・デマのターゲットになる人たちで、有名人・政治家・外国人・セクシャルマイノリティなどに加え、最近では沖縄に関するデマも乱発されています。

例えば、約2年前のネットニュース番組にて、コメンテーターの2人が「チビチリガマでの『集団自決』の話は1983年まで出てこなかった」「じゃあ嘘?」「色々な説があって…布団を燃やして暖を取ろうとした」「(集団自決でなく)一酸化炭素中毒?」などのやりとりがありました。

明確なデマではないけれど、視聴者から見て「チビチリガマでの『集団自決』は嘘かもしれない」と受け取れる内容でした。

歴史は、様々な角度で検証されるべきです。
ただし通説を覆すためには一定の根拠が必要で、このネットニュース番組でのやり取りには確かな根拠がありませんでした。

このチビチリガマの件はあくまで一例で、このような歴史修正主義的な言説がネット上には数多く存在しています。

それってトーンポリシング?

その人の「態度」や「言葉遣い」だけを非難し、主張を聞き入れないことをトーンポリシングと言います。

例えば痴漢された女性が「痴漢オヤジ、ぶん殴りたい」と怒った場合に「痴漢されたことはかわいそうだと思うけど、そんな汚い言葉遣いでは誰も共感しないよ」と評することがトーンポリシングです。

【関連記事】中立的な立場に見える「トーンポリシング」に騙されない!モバプリの知っ得!
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-889681.html

このトーンポリシングの問題点は、社会的に立場の弱い人、少数派の主張をないがしろにすることです。

例えば、知らない人にいきなり殴られた人が「あの親父、殴り返したい!」と怒っても、「そんな汚い言葉では誰も共感しないよ」とトーンポリシングをする人はほとんどいないでしょう。

性暴力と直接的な暴力。どちらも被害者は傷ついていますが、性暴力の方はトーンポリシングが発生する。どこかで「女性が痴漢にあうのは仕方ない」と言ったような、無意識的な性暴力を容認する態度が見え隠れします。

6月23日の慰霊の日、平和祈念公園にて行われた「沖縄戦全戦没者追悼式」の中で安倍首相の挨拶中に、参加者から「帰れ」「嘘をつけ」などの大声が飛びかった件を、「汚い言葉」「ヤジ」と終わらせるのは簡単です。

しかしながら、過去の総理挨拶の時にこうした言葉は出てきたのか、なぜ今こうした言葉が出てくるのか。辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の結果と、その後辺野古埋め立てがどうなったのか。

先ほどの痴漢被害に対するトーンポリシングと同じく「沖縄がこうなったのは仕方なかった」という、反省や学びとは程遠い姿勢になりがちなので、無意識にそうならないように注意しなければなりません。

ネットでの自由かつ不確かな情報が増える一方、沖縄の歴史を直接知る先輩たちはどんどん少なくなってきています。こうした流れは今後も続くでしょう。

だからこそ、スマホを使ったお手軽な情報検索だけでなく、直接的な証言を聞くなど多角的なインプットで自分の考えを固めて、過去から過ちを学ぶ必要があるでしょう。



 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」6月23日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/
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