玉城デニー知事が重要政策について有識者の意見を聞く「万国津梁会議」の米軍基地問題に関する会議の初会合が30日、県庁で開かれた。委員長に就任した国際地政学研究所の柳沢協二氏ら5氏が米軍基地問題に対する各自の考えを述べ合った。柳沢氏は会議後の会見で名護市辺野古の新基地建設の代替案案を検討するかについて「知事の権限能力を超えることを言うつもりはない」と否定した。(2面に関連)
会議は非公開で、県は1週間後をめどに議事録の概要を公表する予定。次回は8月上旬を予定し、計4回の会議で基地の整理縮小についての考えをまとめる。
会議は柳沢氏が委員長、沖縄国際大法学部の野添文彬准教授が副委員長にそれぞれ就任。ジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ准教授、東アジア共同体研究所の孫崎享氏、琉球大人文社会学部講師の山本章子氏の5人で構成する。
県によると会議では(1)日本を取り巻く安全保障環境の変化(2)在日米軍の駐留のあり方(3)在沖米軍、在沖海兵隊の駐留の必要性(4)日米特別行動委員会(SACO)合意の検証(5)米国の戦略の変化(6)日米地位協定-についての発言があった。
柳沢委員長は会議後、辺野古の代替案の検討を否定。「沖縄県民と政府との間に大きな溝があるのは両者にとって不幸。現状を打開するために知識を役立てたい」と述べた。
玉城知事は会議の冒頭のみ出席し「米軍基地の整理縮小など県民の目に見える形での基地負担の軽減が求められている」と負担軽減に向けた提案を期待した。万国津梁会議は玉城知事が昨年9月の知事選で公約に掲げた。人権・平和、情報ネットワーク、経済財政、人材育成・教育福祉・女性、自然・文化・スポーツの5分野の会議で有識者の意見を政策に反映させる。基地問題は人権・平和の会議に属し、他分野に先行して発足した。
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