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2017年09月27日22:13

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ドゥーチュィムニー「なぜいま“沖縄”なのか?坂本龍一&大杉漣も参加した『カメジロー』の魅力」

 アメリカ占領下の沖縄で米軍に挑んだ男、瀬長亀次郎を描いたドキュメンタリー映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』。



8月12日(土)より先行公開された沖縄・桜坂劇場では、大ヒットを記録。そして8月26日(土)より東京・ユーロスペースでも公開されると、公開3日目の2回目までの10回の上映が全て満席となる大ヒットスタートとなった。それでも勢いは衰えず、公開4週目の9月2日(土)までには、全国の興行収入累積1,500万円を突破。また来週末には、沖縄の観客動員累計が1,000万人を突破する見込みとなっている。

沖縄だけでなく、東京をはじめとする全国公開劇場で話題となっている本作。公開規模はさほど大きくはないが、なぜここまで人々を引き付けるのか? 本作の注目すべき点を挙げていく。

■沖縄の知られざるヒーロー・瀬長亀次郎

第二次大戦後、米軍統治下の沖縄で唯一“弾圧”を恐れず米軍に「NO」と叫んだ日本人がいた。「不屈」の精神で立ち向かった沖縄のヒーロー・瀬長亀次郎。民衆の前に立ち、演説会を開けば毎回何万人も集め、人々を熱狂させた。彼を恐れた米軍は、様々な策略を巡らすが、民衆に支えられて那覇市長、国会議員と立場を変えながら亀次郎は政治家として闘い続けた。

本作ではその知られざる実像と、信念を貫いた抵抗の人生を、稲嶺元沖縄県知事や亀次郎の次女など関係者の証言を通して浮き彫りにしていく。

■反響を呼んだTV番組を追加編集したTBSの集大成

2016年、TBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組「米軍が最も恐れた男〜あなたはカメジローを知っていますか」の映画化を熱望する声を受け、追加取材・再編集を行って映画化した本作。JNNだけが持つ貴重な未公開映像やインタビューを盛り込み、そしてアメリカ取材を交えて製作された。

■沖縄の原点をたどり、歴史の点と線を結ぶ

沖縄返還45年、日本国憲法施行70年、瀬長亀次郎生誕110年と、節目ともいえる今年に制作された『カメジロー』で監督を務めたのは、TBSニュース番組「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務め、筑紫哲也氏の薫陶を受けたという佐古忠彦。

佐古監督は初監督作が異例のヒットを記録しているが、9月2日(土)に実施された舞台挨拶では「初めて映画制作に挑戦しまして、上映後に拍手を頂くというこんなに嬉しいことはありません。本当にありがとうございます」と一言。

さらに「瀬長亀次郎を取り上げようと思ったきっかけは?」というMCからの問いに対し佐古監督は、

「日々、沖縄の基地問題をお伝えする中で、中々瞬間瞬間を切り取るだけで、全体像が伝わらないなという想いがずっとあり、当時の沖縄で一体何があったのか、沖縄の戦後史が本土の人の認識からすっぽり抜け落ちているんだなという気がずっとしていた。あの時代の主人公の1人である瀬長亀次郎さんを通して、戦後史を見つめることで、本土の人の一面的な批判がなくなり、『なぜ、沖縄の人が声を上げ続けるのか』その核心を感じ取ってもらえるかもしれないと思った」と切り出し、「亀次郎さんという人はたくさんのエピソードを持っていて、そこをどんどん掘り下げていきたいという想いと、沖縄の戦後史を見ないといけないという想いもありましたから、そこをどう編み込んでいくか、作り手としては、一番悩ましいところではあった」と苦労も語った。

本作では、作品の主旨に共感した坂本龍一によるオリジナル楽曲書き下ろし、さらに語りには、名バイプレイヤー、大杉漣が参加している。

沖縄は、リゾートや観光目的で世界中から毎年多くの人が訪れている。温暖な気候、美しい自然や、優しい現地の人々に癒される人も多くいるのではないだろうか? しかし、現地に住む沖縄の人々は“米軍基地問題”で、いまも人々は危険と隣り合わせで生活を送っている。それにも関わらず、沖縄の人々と私たちとの間の基地問題に対する温度感は、もはや“他人事”レベルに離れてしまってはいないか? 本作は、いまの日本の現状を問いただすためにも、観る意義があると言える。

『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』は全国にて順次公開中。
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