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2015年11月16日20:54

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ドゥーチュィムニー「米軍基地跡から猛毒ダイオキシンが! 沖縄を蹂躙する環境破壊」

 ここがサッカー場だったのか? その駐車場跡地には、3階建てのビルがいくつも入りそうな穴があけられ、そこから掘り出された汚染土は隣のグラウンド跡地に積み上げられブルーシートで覆われている。


2013年6月13日。沖縄県沖縄市の沖縄市サッカー場で、腐食したドラム缶22本が埋め立てられているのが発見された。

直後に現場に入った池原秀明市会議員は「すごい異臭」に、「普通のドラム缶ではない」と直感した。事実、ドラム缶は空だったが、一部にベトナム戦争で米軍が散布した枯れ葉剤を製造したダウケミカル社のロゴが確認され、「缶の中は枯れ葉剤か?」と沖縄ではトップニュースで報道された。


枯れ葉剤はベトナムの森に隠れたゲリラの発見を容易にするために、上空から散布した強力な除草剤だ。その主成分は“史上最強の毒物”ダイオキシン類。免疫抑制、肝臓障害、皮膚炎などを引き起こし、有名になった結合双生児のベトちゃんドクちゃんもその被害者と推測されている。

サッカー場は、かつてはベトナムにも多くの米兵が出征した米軍の嘉手納飛行場だった。1987年の返還後、市がサッカー場を造成。そして’13年6月、スプリンクラー用のパイプ敷設のため地面を掘るとドラム缶が出た。その後も翌年1月から2月にかけ78本、4月に8本と、計108本もの埋め立てが確認された。

沖縄防衛局は’13年9月から発掘調査を開始したが、ドラム缶周辺のたまり水からはダイオキシン類が基準値の2万1000倍、ドラム缶の付着物からは発がん物質『ジクロロメタン』が45万5000倍の高濃度で検出。関節痛や脱力感などを引き起こす『PCB』、毒性の強い除草剤『PCP』も検出された。

ダイオキシン類は軍事物資だと推測されるが、PCBは電気機器の絶縁油や熱交換器の熱媒体として汎用されたので、米軍の古い電気機器が大量に廃棄されたのかもしれない。

調査の結果、枯れ葉剤、特に毒性の強い『オレンジ剤』の貯蔵疑惑が強まるが、環境保護団体『沖縄・生物多様性市民ネットワーク』(以下、市民ネット)の河村雅美ディレクターはドラム缶の発見当初から「その問題を矮小化してはいけない」と警鐘を鳴らしてきた。

「問題はオレンジ剤の有無よりも、現場がさまざまな有害物質で複合汚染されたとの事実。どう透明性のある調査と適切な浄化をするかが問われているんです」

というのは、沖縄では同じようなケースでずさんな処分をしているからだ。

「例えば、’02年、北谷町の米軍射撃場跡地で215本のドラム缶が発見されました。県は1本だけをサンプルで残し、残りは、内容物不明のまま焼却したんです」

実際、今回も防衛局は、「オレンジ剤が存在した証拠がない」と事態の幕引きを図るような調査結果を出している。

だが、池原市議もドラム缶発見直後から動いていた。市に対して「国や県の調査だけではなく市独自のクロスチェックをすべき」と要請。当時、革新派の市長がこれに応じ市教育委員会が防衛局よりも早く調査を開始した。

その結果、同じ検体を扱ったにもかかわらず、ダイオキシン類のいくつかで、防衛局の調査よりも最高で8倍も高い数値が出た。これは同じドラム缶に複数の物質があったことに起因する。そして、こう結論づけた――「枯れ葉剤が含まれていた可能性はある。複合汚染と考えられる」

防衛局とは評価が分かれたが、市の調査結果を池原市議や河村さんは評価。

「国任せではない調査をする。そのうえで、どんな対処が必要かとの次の段階に行けますから」(河村さん)


市民ネットは、その一環として『沖縄市サッカー場調査・評価プロジェクト』を立ち上げ、有識者の客観的評価を仰いだ。そのなかで昨年10月、ダイオキシン問題では日本随一の研究者、宮田秀明・摂南大学名誉教授が、市の調査結果を分析した意見書を出す。

《8種類ある枯葉剤のうち、オレンジ剤など6種は存在しないが、2種の存在は否定できない。現場はダイオキシン類で汚染されている。発見されたドラム缶は傷みも激しく封入物の漏出・拡散の可能性もある。詳細な汚染調査を実施し、汚染範囲を確定することが緊急課題である》

もし汚染を放置すればどうなるのだろう。私は宮田教授を直撃した。

――具体的にどんな被害が予想されるでしょうか?

「初期のドラム缶からはダイオキシンが、あとになるとPCPも出て、サッカー場の排水口はいろいろな有害物質でゴチャまぜ状態です。防衛局は、河口付近でも汚染物質は排水基準値以下といいますが、ダイオキシン類は魚介類に摂取されると数千倍に濃縮されます。それが、ゆくゆくは人が摂取する。ダイオキシン類の感染経路は空気、水、土、食品の4つですが、食品からが85%と圧倒的に多い。早急に排水口での汚染物の除去が必要です」

現状では目に見えた被害実態はない。ただ、因果関係は不明だが、サッカー場に近い嘉手納基地内の学校の生徒に、骨腫瘍や脳の嚢胞腫が認められたアメリカ人の子どもはいたそうだ。

さらに尋ねてみた。

――しかし、除去や浄化の責任を第一義的に誰が負うべきでしょうか。

「日米地位協定では、米軍に跡地の原状回復の義務がありません。廃棄物を埋めてしまえばわからないし、自治体が跡地利用しようにも、浄化でかえって金がかかりかねません。地位協定があっても、米軍が有害物質を処理や無害化するよう定めるべきです」

そう。基地問題で悩ましいのは、いかに土地を汚染しようと、米軍に土地の原状回復の義務がないことだ。


汚染発覚で頓挫も進まぬ跡地利用

こんなこともあった。

’95年11月。恩納村の米軍恩納通信所が返還された。敷地面積は62ヘクタール。返還前から、村では役場と480人の地主とが『跡地利用検討委員会』を設置。跡地に8つの企業が参画するリゾート開発が決まっていた。ところが’96年3月、通信所の汚水処理槽の汚泥から最高で基準値の14倍のPCBが検出された。


その一報を聞いた時、役場企画課職員のNさんは「委員会の長年の話し合いが水泡に帰す」と直感した。

「日米地位協定では、返還後に発見された汚染物は“日本のもの”。だから、汚泥の引き取りを米軍は拒否しました。汚泥はドラム缶700本に詰めて、恩納村の自衛隊基地で保管することになったんです」

はたして、PCB汚染がもたらしたイメージダウンで計画は頓挫。その後、跡地利用されたのはわずか約4ヘクタールで、19年たった今、ようやく新しいリゾート開発が進もうとしている。

汚泥処理にカタがついたのは’13年11月。福島県いわき市のPCB処理施設へのドラム缶の搬出が決まったのだ。搬出に立ち会った副村長は「本来は米軍が処理すべきもの。日米地位協定は改善すべき」と地元紙にコメントした。

沖縄の米軍基地は少しずつ返還されているが、そのたびに汚染問題が発覚する。最近の返還は、今年3月のキャンプ瑞慶覧(宜野湾市)の西普天間住宅地区(約51ヘクタール)。市は、ここを国際医療拠点や住宅地などに開発予定だ。ここでも腐食したドラム缶や基準値の3倍超の鉛が土壌から検出された。


だが、沖縄防衛局は「リスクはほとんどない」と表明。跡地開発は着々と進んでいる。河村さんは納得できない。

「市の跡地利用への取り組みは早い。一方、汚染調査への取り組みは鈍い。沖縄市のように第三者の専門家が調査結果を評価するダブルチェックは最低限必要です」

河村さんら市民団体は、返還直前の2月に市を訪れこのことを訴えたが、市は「要請は承りました」と回答するだけだった。

「米軍に汚染者負担の原則を求める必要はあります。でも、沖縄の自治体も、こういうことへの対処を考えるべきでしょう。必要なのは、汚染状況についての住民説明会の開催など、住民も参画できる調査態勢の構築です」

さて、話を沖縄市に戻す。サッカー場はどうなるのか? 池原市議はこう答えた。

「もとのサッカー場に戻さないと、造成につぎ込んだ国の補助金の返還を命じられます。でも、この場所の子どもへの開放は難しい。防衛局が“原状回復は不可能”と判断すれば、ほかの用途もありますが」

悩ましい問題だ。それでも、池原市議や河村さんは「ここでの汚染処理を跡地利用のモデルケースにしたい」と望んでいる。

被害者を出す前の活動こそが求められている。


取材・文/樫田秀樹 ●ジャーナリスト。'59年、北海道生まれ。'88年より執筆活動を開始。国内外の社会問題についての取材を精力的に続けている。近著に『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)
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