新たな台風予報にも発展?
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、沖縄県の本部半島沖にOISTケーブル海洋観測システム「OCTOPUS」を設置して、台風の最中に何が起こっているのかを解明する研究を進めているのですが、このほど同大学の海洋生態物理学ユニットに所属するMary Grossmann研究員により、荒天時のプランクトンの動きに関する興味深いパターンが発表されましたよ。
プランクトン連続撮像システムなどを活用し、珪藻類、放散虫類、カイアシ類、等脚類のほか、エビやクラゲ、魚類の幼体など、5万個体を超えるプランクトンが同定されていますが、上の画像のcに写る珪藻類やdの放散虫類は、台風の間に増加する傾向があるそうです。一方、gで示された等脚類やクラゲなど、遊泳能力のあるプランクトンのグループは、台風時の高濁度の水を積極的に回避して移動してしまうことが発見されていますね。
なお、観測ステーションが砂中に安定してきたため、次の台風シーズンには、より多くの台風時に詳細データを収集していく方針が明らかにされており、これまでだれも見たことがなかった嵐の最中の海中の様子が、さらに解明されていくものと期待されています。今後の研究発表も楽しみですよね……。
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