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2019年01月15日14:47

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リメイク 奇跡な日々その十三

ラッケルバード。崖の部分に巣を作る体長二十センチの鳥。
性格はおっとりしているが、卵を集団で守るため一つの大きな巣に住んでいる。
羽に毒を持ち触れるものを毒状態にしてから一斉に突く。
卵は見た目とは裏腹に、一つ五キロの重さを持つ。
高難易度だがサートリの魔量なら比較的簡単だろう。

徒歩で山を登る。二人は無言だった。

(村を出たらサートリと魔量の差で離れなけばいけないかもしれなくなる・・・そんなの嫌だ・・・!)

この村に居ればとドラッヘは心が蝕まれるようにつぶやく。
その後ろを魔量が漏れないようサートリはついていく。何の疑問も持たず当たり前のように。


〜山の頂上、崖エリア〜

空を飛び交うラッケルバード達に見つからない様木と草の陰に隠れる。
まだ見つかっていないので、近づけれるだけ近づく。

「ラッケルバード達、いっぱいいるね」

ドラッヘはそう言うと、様子をうかがっている。
サートリの魔量を使えば簡単だが、あまり使わせたくないようだ。

「ドラッヘ、水の、膜、張る」

サートリは左腕を伸ばそうとした。すると、

「ダメだ!!」

「ドラッヘ・・・!?」

ドラッヘの突然の大声でラッケルバード達が群れでやってくる。

「水膜!」

サートリが水の膜を張り接近を防ぐ。
くちばしや体がぶつかる衝突音が響く。
ぶつかるたび魔量が削られてゆく。

「ドラッヘ、卵、を・・・!」

ドラッヘは茫然として動かない。
小さく何かをつぶやいているが、サートリには届かない。

「ドラッヘ!」

サートリの声で元に戻ったドラッヘは卵を拾うと、

「サートリごめん!行こう!」

2人はその場から走り出す。ラッケルバード達は追随してくるが、水膜にはじかれやがて諦め帰って行った・・・
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