先週金曜日、とあるお宅へのベッド納品の際のお話。
老夫婦のうち奥様の方が利用者の方。お二人の見ている前でベッドを組み立て始めた時、いい音量でオーケストラのCDの音が聞こえてきます。
「いいですね。映画音楽ですね」と私から旦那様に尋ねると、「えぇ。古い映画ですけどね」。
「自分、クラシックが好きなんですよ」と申し上げると「おぉ。誰がお好きですか?」と旦那様。
「色々好みですが、マーラーが大好きですね」との答えに対して「持ってますよ。交響曲の何番おかけしましょうか?」ときました。
「いや、仕事中ですから」
「いやいや、遠慮せずに。何番ですか?」
「そうですねぇ、やっぱり9番が大好きです」
そうこうしているうちに、本当にマーラーの交響曲第9番が流れてきました。この曲をBGMに仕事するのは後にも先にも初めてです。
「オケはどこですか?」
「ベルリン・フィルです。指揮はバーンスタイン」
「あぁ、てことは1979年のライブ、ですね。一期一会の」
「お詳しいですねぇ」
「中学時代からマーラーにははまっているので、9番もいくつ持っているかわからないくらいです」
話の流れから、「すぐ近くのY高校で吹奏楽やってました」という話になると、
「(奥様を指差して)この方、Y高校ですよ」
「うわぁ!大先輩!大変失礼いたしました」等々。
自然に聴こえてくる音につけるように口の中で歌ってみたり。意外とはかどりました。
組み終わったときに、旦那様から「いやぁ、仕事が早いですねぇ」とお言葉をいただき、「いえいえ、マーラーのおかげです」と申し上げておきました。
マーラーBGMでの作業、高校の大先輩との出会い、稀有な体験を1時間弱の間にすることができました。
ソレールのハープ・ソナタ 二長調のようですソース:
http://www006.upp.so-net.ne.jp/audio-guernica/
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