mixiユーザー(id:580466)

2019年09月17日20:23

231 view

Sun and Shadow

フォト

昇降格プレーオフ第3節、最終戦。
4チーム共に1勝1敗で大混戦となっていたので、
最低でも引き分け以上の結果が求められていた。

セレッソはこの大事な試合に、主力メンバーの内3人が
U-16日本代表としてタイに遠征しているので
控えがキーパーを含めて3人しかいないと言う状態。
日程の妙とは言え、代表遠征のタイミング悪すぎ。

このプレーオフに進出したせいで、娘は高校生にとっての
大事なイベントである文化祭や後夜祭を欠席する事になった。
とにかく今は学校が楽しくて仕方ない娘は、それでも
上記のチーム状態を考慮し、この試合の出場を選んだ。

数か月前まで「辞めたい」と言っていたのに、
最近ではスタメンで使われるようになってきて
やる気が回復したらしい。やはり人は求められてこそ。
他者との関わりの中で、人は自分の存在を確認するのだ。

試合は何度かバーやポストに助けられながら、前半38分に
セレッソがロングシュートで先制。1−0で前半を折り返す。
今日は娘の調子もいい。
その後も後半に何度かラインを抜け出してチャンスを作り
会場のサポーターも我が娘から得点の匂いがするのか、
個人チャント(応援歌)を連呼するようになる。

すると後半74分、味方のパスを受けた娘は、ターンで
相手をかわしてGKと1対1。会場のボルテージが高まる。
(父は「ミスったらどうしよう」と逆の意味で高まる)

娘はそのままドリブルし、一歩だけタイミングが遅れたけど
なんとかシュートに持ち込み、追加点の奪取に成功。2−0。
ピッチでは娘がチームメイトからもみくちゃにされ、
スタンドでは父が知らない人からハイタッチを求められる。
サポーターは娘の応援歌を大合唱。

その後、セレッソの選手が負傷して倒れているのに
審判が試合を止めず、チームが止まった間隙を突かれて
相手の得点を許す。2−1。同点に追いつかれると
降格もまた見えてくるので、会場に緊張が走る。
控え選手が3人しかいないセレッソは、殆どの選手が
フル出場。カンカン照りの太陽の下で疲労蓄積しているのが
スタンドからも目に見えて分かる。選手の足が吊って
何度か試合も中断する。

その後も相手のシュートがバーに当たったり、何度も
際どいピンチを迎える。そんな中、応援でノッてきた娘が
何度も得点チャンスを作り、チームもそれに呼応して
最後の力を振り絞る。娘の応援歌が鳴り止まない。
鳥肌が立ちっぱなしだった。

緊迫した試合は結局、2−1で終了。
なでしこチャレンジリーグ残留決定。
高校生たちの夏がようやく終わった。

-------------------------------------
以前、日記に書いたカレンについて。
カレンと娘は小学生の頃から同じチームでやってきた。
小学生時代は私が監督、娘がエース、カレンがキーパーとして
あらゆる大会で優勝。全国大会でもベスト8まで行った。
笑顔しかない期間だった。

中学でセレッソに入団してから、カレンと娘は
お互い試合に出られない時は励ましあい、高校進学時の
振るい落としにも何とか生き残って、今までやってきた。

そんなカレンがとうとう、サッカーを辞めてしまった。
理由ははっきり分からない。しかし彼女はサッカー特待生として
高校にも進学しているので、高校も辞めなければならない。
彼女はキーパーなので、フィールドプレーヤーの娘よりも
試合に出るチャンスが少ない。それを気に病んでいるのは
以前からも知っていたけど、それが直接の原因かどうかは
彼女が語りたがらないのでわからない。

いずれにせよ、カレンと娘はここで大きな岐路を眼前に
別々の道を行く事になった。娘はやる気が回復したので
「大学でもサッカー続けたい」と言うようになった。
このままセレッソのトップチームに昇格する事ができたら、
「もちろん残る」とも。

父としては嬉しいけど、元監督としては
トップレベルでの淘汰に教え子が飲まれていく様を
まざまざと見せられて、何とも言えない気分になった。
「いつか娘も飲まれるのか」と思うと、怖くなる。

いずれにせよ、自分が納得できるまでやり切って欲しい。
今日の試合みたいな、プライスレスな経験をさせてもらって
もうこれ以上は何も望まない。普通の女の子としての
色んなものを犠牲にして、眩い光景を沢山見せてもらった。

2021年に女子サッカーがプロ化されるので、出来れば
そちらに進んでほしいけど、
ここまで来たらもう親の出る幕ではないと感じる。
17 4

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する