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2020年02月24日00:13

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年300校消える公立小 「1日限定」開放で思い出に浸るOBら 滋賀・甲賀

年300校消える公立小 「1日限定」開放で思い出に浸るOBら 滋賀・甲賀
2/23(日) 15:17配信毎日新聞

教室などの扉に掲げられていた焼杉板の木札=滋賀県甲賀市の旧山内小学校で2020年2月22日、千脇康平撮影
 少子化を背景に全国で公立学校の統廃合が相次いでいる。そんな中、3年前に閉校した滋賀県甲賀市の市立山内小学校が22日、「1日限定」で地元住民や卒業生らに開放された。来年度以降、民間の養殖施設に生まれ変わる計画となっており、訪れた卒業生らが在校当時に使っていた備品を分け合うなどして思い出に浸った。【千脇康平、礒野健一】

 山内小は1873(明治6)年創立で、現校舎は1980年3月に完成した。市教委によると、戦後の児童数は47年の288人をピークに減少傾向で、山内小が建つ旧土山町など5町の合併で甲賀市となった2004年度以降は30〜40人台で推移した。

 15年3月に市教委が公表した学校再編計画で、旧土山町は全4小学校を1校にまとめる統合案が示された。地元では「過疎化がさらに進む」などと再編に反対する声があった一方、保護者には「人数の多い学校で学ばせたい」との意見が多く、16年度末で閉校になった。児童数は24人まで減っていた。

 同窓会の会長だった吉田権栄門(ごんえもん)さん(74)は「地域を残すためだけに子どもの将来を犠牲にはできなかった」と顧みる。現在、児童は西へ約4キロ離れた土山小にコミュニティーバスで通う。

 跡地はヒラメなどの養殖場に再利用される計画で、市議会の3月定例会で議案が通れば20年度から事業が始まる。このため、市教委は地元住民らへの校舎開放と備品の無償提供を決めた。

 この日、山内小を訪れた人たちは校内を見て回り、使い古された理科の実験道具や紙芝居などを手に取って眺めたり、車に運び込んだりしていた。図書室では、本に挟まれたカードを見つけた卒業生が「私の名前がある」と喜びの声を上げた。廊下に飾られた集合写真の前で足を止め、連れてきた子や孫に自らの小学校時代の姿を見せる保護者もいた。

 1992年度の卒業生で、現在は旧水口町内に暮らす会社員の馬場正也さん(39)は「4年生」「保健室」などと彫られた焼杉板の木札を、クラスメートと一緒に卒業制作で作った。「手元に戻ってきたことよりも、卒業してからずっと使い続けてくれたことがうれしかった。寂しいけれど、学校が今の形ではなくなっても思い出はずっと残る」と話し、木札を大切そうに抱え、まなびやを後にした。

 97年度卒業生の会社員、馬場風太さん(34)は進学でいったん山内を出た後、4年前に地元に転職して戻ってきた。「僕らの頃は小学校を中心に、住民みんなで花を植える活動が盛んだった。閉校しても、春になると色とりどりの花が咲き乱れる風景が当時を思い出させてくれる」と、花を植えたグラウンドを見つめた。

 ◇年300校消える公立小

 少子化が進む中、文部科学省は2015年1月、公立小中学校の適正規模や適正配置に関する「手引」を約60年ぶりに策定した。

 小学校では6学級を下回る場合を「一般に教育上の課題が極めて大きい」とし、統廃合などの適否を速やかに検討する必要があるとしている。一方、地域の実情に応じたきめ細かな分析に基づき判断すべきだとして弾力的な対応を求めている。

 全国各地で小中一貫校化を含めた学校の再編計画が浮上しているが、地元住民や保護者の反発で頓挫する事例も相次いでいる。文部科学省の調査によると、02〜17年度に廃校した公立小学校は5005校。単純計算で1年間に約300校が消えていることになる。【千脇康平】
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