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日記一覧

妄想小説 暁烏 77
2020年09月30日19:33

ビール小説 暁烏 77ビール 食事を作るのはマスターの仕事らしい。マスターはすぐに厨房へ行き、調理の準備を始める。「そう言えば咲さん、ゆっくりする暇はないって言ってなかった?急いで組織をちゃんとしないといけないって」「世界各地でUFOが目撃

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妄想小説 暁烏 76
2020年09月29日19:54

ビール小説 暁烏 76ビール「徳田親分はそれで許してくれたの?」 咲さんがもっと続けてと言いたげに俺を見た。マスターも興味深そうに促す。「後になってからわかったのだけど、京子ママは竜二兄さんの愛人でね、駅で俺に声をかけたのは偶然ではなかった

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妄想小説 暁烏 75
2020年09月28日19:00

ビール小説 暁烏 75ビール サブの足を両手で掴んだ後は覚えていない。防衛本能で。俺はただ捕まえた足を離さないことに必死だった。だがそれが幸いだったようだ。サブは俺の顔面を殴ったが片足なので、それほどの破壊力が出せなかったようだ。 それほど

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妄想小説 暁烏 74
2020年09月27日19:23

ビール小説 暁烏 74ビール 徳田親分は小柄で人の良さそうな爺さんだった。ちょっと太めの、頭のはげた爺さん。車の整備工員が着ていそうなオレンジ色の作業着で盆栽の手入れをしていた。とてもやくざの親分には見えない。俺が渡した竜二兄さんのメモを受

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妄想小説 暁烏 73
2020年09月26日19:19

ビール 暁烏 73ビール 京子ママの店には、俺より3歳上の山下和則がいた。京子ママと同じ古仁屋出身の男だ。店の2階の倉庫の横にある6畳一間が和則の部屋で、昨年高校を卒業して京子ママの店で働きながら大学へ行っていると言う。俺は和則の部屋に居候

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妄想小説 暁烏 72
2020年09月25日21:07

ビール 暁烏 72ビール「真一さんの生い立ちは小説になりますね」 俺と咲のやり取りを聞いていたSAKIのマスターがパイプタバコに火を点けながら言う。「小説は無理でしょう。恋愛の絡みもないしエッチ場面もないから売れませんよ」 俺の応えに咲が笑う。

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妄想小説 暁烏 71
2020年09月24日20:05

 暁烏 71ビール 読書好きで頭でっかちの俺は、中学に上がる頃にはすでにオトナの本を読んでいた。読めない漢字を飛ばしていたので、正しくは理解しない。推測と妄想で自分なりの物語を創る癖を見に付けていた。 尊敬していた父親から実の子では無いと言

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妄想小説 暁烏 70
2020年09月23日20:18

小説 暁烏 70ビール 人は信頼が深ければ深いほど、裏切られた時のショックが大きい。その反動が、時に相手を憎んでしまうこともある。その感情が無い俺は、一種の欠陥人種かも知れない。いや、本当は裏切られたショックが大きいことを知っているから、最

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妄想小説 暁烏 69
2020年09月22日20:00

ビール 暁烏 69「俺と女房は、ある意味、似合いの夫婦だったと思う」 俺は咲さんに応えた。俺と女房はいくつか共通点がある。まず、家族や他人との距離の取り方である。外面は親しくしているが、本質は拒否していることが多いのだ。 相手に嫌われている

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 朝晩急に寒くなりました。今朝の配達など、薄手のジャンバーでは寒くてたまらず、雨でもないのに雨合羽を風よけに来たしだい(汗)でも、写真の方には燃えていて、配達終わりに急いで朝のあれこえを終え、散歩撮影へ・・ しかもいつもの河原までの散歩は飽

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妄想小説 暁烏 68
2020年09月20日19:34

ビール 暁烏 68 そして夏の終わり、義信はアメリカへ発った。ロスアンゼルスに住む真理さんが、ホームステイを薦めてくれたのだ。関西出身の気さくな奥様で、義信と同じ歳の息子と2歳下の娘がいるので、馴染みやすいだろうと提案してくれた。家では英語

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妄想小説 暁烏 67
2020年09月19日19:12

ビール 暁烏 67 女房の事故が自分のせいだと責任を感じた義信が、病室に泊まり込んで看病したいと言った時、俺は反対しなかった。「絶対に義信のせいでは無いから自分を責めてはいけない」と言っただけだ。10日で退院できると言うし、身の回りの世話が

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妄想小説 暁烏 66
2020年09月18日18:48

ビール 暁烏 66「なるほどね。真一さんの行動規範がやっとわかったわ」 咲さんが微笑んだ。どうやら咲さんは、人の心が読めるらしい。俺が無意識に辿った記憶から、俺の考え方の基礎を見抜いているようだ。マスターが咲さんを情報収集担当だと言うはずだ

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妄想小説 暁烏 65
2020年09月16日16:55

ビール 暁烏 65 義信と一緒に病室へ入ると、女房が誰かと電話で話していた。慌てて電話を切る女房。「学校などへは連絡したの?手術は何時から?」 女房に話しかけると同時に看護婦が入って来、手術準備ができたと告げる。女房は学校への休暇願は出した

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妄想小説 暁烏 64
2020年09月15日18:57

ビール 暁烏 64 女房はしかし、コーヒーを飲まなかった。誰かに電話をし「友達に会って来る」と言って部屋を出る。コーヒーを持って俺は再び義信の部屋へ上がる。義信にコーヒーを渡して店へ出た。1時間遅れの開店。バイトの恵美ちゃんと美佳が、入り口

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妄想小説 暁烏 63
2020年09月14日18:41

ビール 暁烏 63 義信の反撃に驚き、俺へ責任を押し付けて出勤した女房だったが、途中で気が変わったらしい。俺が義信と話し、店へ行こうと2階から降りて来た時に引き返して来た。「義信と話したの?」「あぁ、学校を辞めたいってさ」「何、馬鹿な事言っ

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妄想小説 暁烏 62
2020年09月13日19:09

ビール 暁烏 62 手首に細い傷跡があった。カッターナイフを引いたためらい傷。自殺しようと言う強い意志は無いが、少なくとも試みたと言うことだ。「痛かっただろう?」 思わず義信を抱きしめた。なぜ気づかなかったのだろう?深夜に店を終えて帰宅する

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妄想小説 暁烏 61
2020年09月12日20:21

 ビール 暁烏 61「お母さんにはお母さんの生き方があり、義信には義信の生き方があるのだからね。お母さんの言う通りに生きなくて良いとお父さんは思うよ」「時々喧嘩しながら?」「そうだよ。どうしても嫌なことは嫌と言わないと・・お母さん、白か黒し

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妄想小説 暁烏 60
2020年09月11日17:49

ビール 暁烏 60 俺の息子義信が俺の血縁であるかどうかを俺は知らない。新婚初夜から夜の営みを拒否していた女房が、どんな心境の変化か俺を襲った時、俺は深酒をしていたし睡眠薬を飲んでいた。夢うつつで女房を抱いたのは確かだが、もったいないことに

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妄想小説 暁烏 59
2020年09月09日18:10

ビール 暁烏 59「僕から質問してもいいですか?」 俺はSAKIのマスターに訊ねた。「嘘かほんとうかわかりませんが、世界を影で操っている秘密結社があるって聞いたことがあります。マスターや咲さんはそのメンバーってことですか?」「フリーメーソンみた

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妄想小説 暁烏 58
2020年09月08日20:12

ビール 暁烏 58「浮気の問題はともかく、車は遠慮なく使ってください。サポートするのがわたしの仕事ですから・・」 SAKIのマスターがコーヒーを持って来る。俺意外に客は来ないと思っているのかカウンターから出て、俺の横へ座る。「車でわたしを買収で

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妄想小説 暁烏 57
2020年09月07日19:39

ビール 暁烏 57「ジムニー病院の駐車場へ置いたままですが・・」 俺は先ず車のことを聞いた。SAKIには駐車場が無い。近所に自宅があって、そこに車を停めてあるのだろうと思っていた。たぶん一昨日、マスターと咲さんはマスターの運転で俺のアパートへ来

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妄想小説 暁烏 56
2020年09月06日17:21

ビール 暁烏 56退院した日の夜は、客が来たり電話があったりで、久しぶりに賑やかな夜だった。女房と結婚する前、勤めていた店の近くに3畳一間の部屋を借りていた時のような賑わい。 異なったのはあの時は金の無い学生が多く、ほとんどが男だったのだが

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妄想小説 暁烏 55
2020年09月05日17:07

ビール 暁烏 55何があるかわからないから人生は面白い。久美子さんはその気で、俺の身体も反応しかけているのに電話着信。今度は戸高さんだ。「マスター?今どこ?」「アパート。1時間ほど前に帰って来た」「今から行くわ。後で三島さんも来るって・・」

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妄想小説 暁烏 54
2020年09月04日19:33

ビール 暁烏 54「誰?」 部屋へ入った久美子さんが訊く。「病院の近くの喫茶店のマスターとお孫さん。何となく親しくなって、送ってもらった」「女の人、何歳かしら?ずいぶん綺麗な人ね」「ふ〜ん・・女性から見ても綺麗なんだ。女性はみんな自分が一番

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妄想小説 暁烏 53
2020年09月03日17:51

ビール 暁烏 53 電話の着信。久美子さんからだ。姓名鑑定士。勝手に俺の鑑定をし、俺に離婚と再婚を薦めた女。電話に出ろ目配せをする咲さん。「マスター、もう退院したんだって?」「あぁ、びっくりするくらい治りが早くて・・病院の先生から宇宙人だと

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妄想小説 暁烏 52
2020年09月02日19:46

ビール 暁烏 52 運の良い人間と運の無い人間がいるのかも知れない。3年目にして初めての営みの夜。俺はウインドサーフインで疲れ切っていた。おまけに睡眠薬と酒を飲んでいる。女房を抱いた記憶はある。小ぶりだが形の良い乳房を揉み、うなじに舌を這わ

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妄想小説 暁烏 51
2020年09月01日19:06

ビール 暁烏 51 その夜、俺は早番だった。午後3時に店を上がり、当時趣味にしていたウインドサーフィンを大杉君達と楽しみ、帰宅したのは午後8時。女房は学校の同僚たちと飲み会があることを聞いていたので、そのくらいに帰っても大丈夫だったのだ。酒

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