暁烏　１９　その日の夜、咲さんが顔を出した。昼過ぎに美佳に連れられてタバコを吸いに行った店の娘である。営業時間を確かめていなかったので、朝は何時から営業しているかわからなかったが俺は朝食前に散歩がてらに行って見ようと思っていた。た

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　暁烏　１８　俺は三島さんの写真はすごいと認めていたが、ただひとつ、女性ポートは認めたくなかった。風景写真などは、きれいな心の持ち主でないと、こんな写真は撮れないだろうと驚嘆するほどに、澄み切った空気感を漂わせ、緻密に計算された画面

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　暁烏　１７　病室へ戻ると、三島さんが待っていた。「オオ、帰って来た帰ってきた・・どこへ行ってた？看護婦と出て行ったって言うからさ、どこかで１発やってたんか？」「まさか、三島さんじゃあるまいに・・」「何言ってる。こんなの見てるくせに

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暁烏　１６「美女だと言われると、嬉しいです。わたしって単純・・」　咲は微笑みながらぺろりと舌を出す。「その写真、見たいです」　言葉を続ける咲に、俺は刑事から聞いた事件のことを話した。すぐには思いだせなかったが、俺は数人の不良に襲われ

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　暁烏　１５　２０代後半か３０代らしい女性。マスターと違って、白いブラウスに、ピッタリ身体に貼り付いた少し赤みがかったピンクのスラックス。花柄の小さなエプロン。和装が似合いそうな顔立ちの女性が、エプロンで手を拭いながら厨房から出て来

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　暁烏　１４　翌日、約束の時間に少し遅れて美佳が顔を出した。私服なので、知らぬ者が見たら見舞いに来たかと思うかも知れない。店へ来ていた頃は、どこか幼さを感じる美女だったが、すっかりオトナの美女になっている。　美佳に連れられて、エレベ

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　暁烏　１３「あれ〜っ・・マスターだったの？」　夜の検温にやって来た看護婦に驚いた。メグとつるんで顔を出してた常連のひとり、美佳である。「この病院だったの？」「そうよ。救急搬送の新患がいるって申し送りがあったんだけど、まさかマスター

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　暁烏　１２　翌朝の回診で、俺はいつ退院できるかを訊ねた。正直、貯金がほとんど無い。なるべく早く退院したいし、配達を始めねばならない。「背中の傷はそれほど深くなく、血だらけだった割には軽傷です。軽傷と言っても、石段を転げ落ちたのと一

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　暁烏　１１　戸高さんは職場へ帰る前か後に、大川社長や中村さんに電話をかけたようだ。中村さんや大川社長、それに山田さんなどが、夜に顏を出した。懐かしい顔との再会。気恥しくもあり嬉しくもある不思議な感覚。誰も俺が家を追い出されたことや

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　暁烏　１０　驚いた所長は、すぐに病院へ来てくれた。配達は自分が当面代わるから心配はないが、週末は休みを希望している者がいて厳しいと言う。つまりは3日しか入院できないということだった。看護婦詰め所へ行って、入院期間などを聞いたが、「今

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暁烏　９「強盗に襲われたの？」　刑事が出て行った後、戸高さんと2人きりになった。戸高さんはコーヒー屋をやっていた時の常連さんだ。年齢は俺よりちょうど一回り若い。店をオープンした時からの客で、当時29歳。東京の大手企業で事務をしていたとい

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暁烏　８　俺は二人の刑事と戸高さんに見つめられながら記憶を辿った。いつもの新聞配達を終え、朝焼けが出そうだといつもの河川河川敷へ急いだ。そうだ。ちょうど朝焼けが始まる頃だった。うまい具合に川霧も出、俺は撮影を始めたはずだ。　そして霧

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　暁烏　７　拘束された時の痛み、持ち上げられた時の眩暈。激しい嘔吐感と同時に俺は意識を失った。誰かに呼ばれているような感じて意識が戻った時、眼の前に知らない女性の顔があった。顔はすぐに男の顔に変り、眼にライトを当てられたり、脈を取ら

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暁烏　６　人の世界・・これまで俺が生きていた世界は、独りでは暮らせない世界だった。親兄弟がいて、親戚がいて、職場の同僚がいて、常にだれかと関わらねばならなかった。長男だから・・先輩だから・・組織の一員だから・・社会のルールだからと、

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　暁烏　５「僕が動揺しているのは貴女のせいでもあるんですよ」　無意識に飛び出る俺の言葉。これは犯罪者の発想だ。悪いのは自分では無く、自分を受け入れない社会や相手が悪いのだと決めつける自己救済の心理。ほとんどの人間は、親や学校の教育で

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　暁烏　４　シラサギが振り返って微笑んだ。その笑顔に警戒は無い。自分に危害を加える者では無いと承知した、受け入れの笑顔だ。「おはようございます。邪魔してすみません」　何かしゃべらねばと思った俺は、とりあえず挨拶をし、不意に傍へ来た非

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　暁烏　３「何で？何で俺はカラスとしゃべれる？まさか死んだのか？」　死んだと思ったのは直感だ。死んで俺はカラスに生まれ変わった・・ふとそんな気がした。生きている時に善意を施した人間は天国に行き、極楽浄土で新たな人生を送ることが出来る

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　暁烏　２　空耳か？と俺は思いながら三脚を少し移動した。あまり変わらない。思い切って上流へ数歩移動。今度はせり出した川岸の陰になってシラサギが見えない。急いで元の場所へ戻る。うかうかしていると陽が昇り、霧を照らしていた光が赤から黄色

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　暁烏　１「やっぱり600か800でないと無理か・・」　俺は自分の独り言を他人事のように聞いた。眼の前に赤く染まる霧が在り、たなびく霧の向こうの消波ブロックの上に１羽の白サギがいる。７０−300のズームレンズを付けたカメラを三脚に付け、シャッ

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　久々に雨の降らぬ配達。で、今朝は配達を終えて、パンが食べれるようになったのでパンと卵焼きで朝食をとった後、久々の散歩撮影。いつもの土手を歩くと、なんと秋の虫が鳴いていました。さっき写真ブログを見ると、宮崎県内の方が、「彼岸花が咲いてた」と

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　音いから痛み出した虫歯のためごはんが食べれません。今も歯科院に行ったのですが、レントゲンを撮っただけで終わりました。歯を抜かねばならぬようで、今日は薬が出ただけ・・奥歯でご飯が食べれるようにしてくと言われましたが、用心してヨーグルトで空腹

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　歯が取れて、昨日歯科院へ行ったのですが、ずいぶん昔しに虫歯を治療してかぶせたものが取れたと解りました。レントゲンを撮ったら、土台の歯が傷んでいるので、「少し治療をして新たにかぶせなおす」と・・「ついでに他の歯もチェックして、治療の必要な物

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　今日は大雨の中、写真クラブの停会かと思っていたら、中止になりました。鹿児島市で、コロナ患者の感染者が増えているからとのメール・・会長さんとしてはようじんしてってことでしょうね。　天気の方は雨雲が南へ押し下げられた感じで、昼間は降りそうで降

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　今日の都城は朝のうち降りそうで降らない微妙な天気でしたが、配達時に濡れた衣服の半乾きが嫌で、コインランドリーに行って来ました。ちゃんとは乾燥できないのですが、室内干しでちゃんと乾くだろうと・・今夜から明日にかけてまた大雨のようで、どうせま

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　今朝の配達も濡れる男でした（笑）パンツまでずぶぬれで、配達を終えて帰宅するとすぐにオールヌードショー開演。そのままシャワーを浴びたいと思ったのですが、まだ5時前ですからねぇ・・隣の部屋に迷惑かなと、濡れた身体を拭って着替えた気の弱いクウネ

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　今朝は神様の気分が良かったのでしょうか？配達中は雨が降らず終わってから雨あまりいじめると気弱なクウネルがだめになると思ったのかな？（笑）今週の水曜日写真クラブの例会があるので、ひと眠りの後、例会で仲間へ見せるプリントのために宮カメへ

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　新聞配達時すごい雨でした。さすが梅雨（笑）でも配達が終って朝食をとっていると雨が止んだ気配。ネットで雨雲の動きを見ると、熊本方面へ移動し、鹿児島・宮崎は雨雲が無い。新聞の予報では昼間晴れて夜にまた雨・・ぶらりと散歩写真をと思い、急いでシャ

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　今朝から断続的に雨が降り、都城市は避難レベル３、高齢者などの避難準備勧告が出ています。昨日の予定では、今日は早水公園で、キノコを探すつもりでした。もちろん食べるためではありません。物語を感じさせそうな雰囲気を醸して顔を出したキノコを写真に

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