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日記一覧

小説 秋物語り 31
2019年10月30日20:18

小説 秋物語り 31「最初はね、何となくおかしいと感じていたのよ。アメリカは日本に協力を依頼しながら、隠していることがあるような気がしてならなかった・・でもね、お爺ちゃんのアパートが襲撃された時、わたしの通報を待っていたかのようなパトカーの

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小説 秋物語り 30
2019年10月29日20:59

小説 秋物語り 30「責任ある不倫って何だよ・・」 思わず沖田はつぶやく。元々の俺はそんな無責任で女にだらしなかったのか?自嘲気味の笑いが浮かぶ。「そういうツッコミをする所も、マスターってお爺ちゃんそっくりなのよね」 沙耶が笑った。「マスタ

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小説 秋物語り 29
2019年10月28日20:01

小説 秋物語り 29「やっぱりその程度しか知らないんだね」 たまらず沖田は声を上げた。中村義之はの実像を知りたいのだが、メアリーから聞いた話しとさほど変わらない。「まぁ、待ってよ」 沙耶は微笑んだ。「わたしが知っているお爺ちゃんは、任務に先

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小説 秋物語り 28
2019年10月27日21:10

小説 秋物語り 28 その日は沙耶の話す中村義之の話しを聞く形になった。沖田を含め、松原家の知る中村義之の情報は乏しい。新聞に載っていたことと、沖田がメアリーから聞いた話しでしかない。生身の中村義之を知っているのは沙耶だけであったからかも知

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小説 秋物語り 27
2019年10月26日21:17

小説 秋物語り 27 20分も経たずに美紀の家へ着いた。沖田は実家へ帰った気分で沙耶を紹介する。美紀の父親は沙耶の顔を覚えていた。捜査会議で遠目に観ただけらしいが、内閣調査室の警視として幹部席に座る若い女性に驚いたし、捜査打ち切りを告げる本部

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小説 秋物語り 26
2019年10月26日09:14

小説 秋物語り 26 美紀とその両親に電話すると、3人共に沙耶の来訪を喜ぶと言った。夜7時に沙耶が改めて店へ来、沖田の運転で安久町の美紀の家を訪ねた。 店は営業中だが、月に一度、沖田は早上がりをする。プライベートタイムも必要だとの、メアリー

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今日もダメダメ(汗)
2019年10月24日20:36

 今日も小説さぼりです・・写真はなんとか撮らねば新しいおもちゃ、現像ソフトで遊べないと、帰りに果物や野菜の安いスーパーへ寄るのを視野に入れて長田峡へ・・ なんと途中で財布を忘れてることに気付き引き返す羽目に(笑)財布の中に免許証も入ってます

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もうやだ〜
2019年10月23日19:08

 今日は朝から不調です。体調だけでなく、いろんなことが・・配達を終えて帰宅すると所長が来て「バイクのチェーンがおかしいようだから修理する」とバイクを持って行き、後で「修理したから置いておく」と軒下へ保管して帰ったのですが、あとで、ガソリン補

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小説 秋物語り 25
2019年10月22日19:47

小説 秋物語り 25「誤解しないでくださいよ。あなたを美紀さんとその両親に紹介したいのです。今晩彼女の家で夕食をいただくことになっているので、良ければ一緒にと思っただけですから・・」 少し慌てた風を装って沖田は言葉を継ぐ。中村義之の記憶は取

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小説 秋物語り 24
2019年10月21日19:46

小説 秋物語り 24 警察官である美紀の父親は、銃撃され拉致された思える中村義之の事件は、上の指示で早々と捜査が打ち切られ、捜査資料さえなくなっていると美紀に話している。松原沙耶なら、その辺の事情にも通じていると沖田は思った。さり気なく沙耶

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小説 秋物語り 23
2019年10月20日20:18

小説 秋物語り 23 沖田はそんな沙耶を少し訝しみながら応対した。「僕のこと、お爺ちゃんって呼びましたよね。ずいぶん驚いた顔で・・」「あ、すみません。知り合いにあまりに似ていたんです。以前に同じアパートで一緒になって・・ずいぶん親切にしてい

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小説 秋物語り 22
2019年10月19日21:39

小説 秋物語り 22 ある日、初めて来店したらしい女性が沖田を見て驚いた声を上げた。「お爺ちゃん?」 昼のピークを終えたアイドルタイム。カウンターでは、昼休みの長い歯科衛生士の美紀が、午後の勤務のため帰ろうと立ち上がって沖田に手を振ったばか

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小説 秋物語り 21
2019年10月18日20:53

小説 秋物語り 21 だが、沖田は中野が来店するもうひとつの理由も知っていた。中野と前後して、必ず増山京子が顔を出すのだ。二人は偶然を装っているが、明らかに示し合わせている。たまたまでくわしたから挨拶すると言う程度の会話しかしないが、明らか

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小説 秋物語り 20
2019年10月17日20:27

小説 秋物語り 20 元々のわがままなのか、年寄りになってわがままになったのか、中野はひるまない。財布から1000円札を1枚抜き出し、リズに渡す。「近くにコンビニがあったろ。あそこで弁当買って来てくれ」「あなた、帰ってください。ココの店に合いま

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小説 秋物語り 19
2019年10月16日21:50

小説 秋物語り 19「ちょっと待ってろ」 中野喜一は、カメラをカウンターに置いたまま店の外へ出てすぐに何冊かのファイルを持って戻って来た。1冊はコンクールで入賞・入選した作品を記録用にファイルしたもので、もう1冊は最近撮っている女性ポートレー

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小説 秋物語り 18
2019年10月15日19:44

小説 秋物語り 18 京子に志布志ランチを誘われている時、新たな客がカウンターへ座った。高級そうな一眼レフカメラを2台、首と肩にかけている老カメラマンらしい男だ。白いあごひげ、長く伸ばした白髪混じりの髪を後ろに束ねて、いかにも芸術家って感じ

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小説 秋物語り 17
2019年10月14日17:48

小説 秋物語り 17 女はしかし怖い。一時は慌てた京子だったが、すぐに頭を切り替えた。「どうせばれてるのだったら、もっと浮気してやる。それは旦那が浮気した仕返しであり、慰謝料とは関係ないと主張する」 見事なまでの割り切りで、沖田を驚かせる。

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小説 秋物語り 16
2019年10月14日10:00

小説 秋物語り 16 京子は、さすがに40歳を過ぎた人妻であった。あるいは最初からそのつもりであったのかも知れない。驚いた風もなく頷く。同時に右掌を沖田の太ももに置く。「さすがマスター・・上手に誘うのね」「ちょっと待て、誘ってなんかいないぞ」

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小説 秋物語り 15
2019年10月13日09:09

小説 秋物語り 15 京子の連れは子供時代からの友人とかで、小柄で小人りのおばちゃんだった。京子の引き立て役として連れまわされているような印象を受けた。控えめでおとなしい性格を利用されているようだ。「ねぇ、マスター、志布志に美味しいお寿司屋

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小説 秋物語り 14
2019年10月11日19:26

小説 秋物語り 14 ドクター・メアリーは応えた。「残念ながら,まだ大きな成果は上がっていないわ。でも、戦争の形が変わって来たからね。今は、ハッカー攻撃や経済闘争なの。ココのトリッキーな思考法に中国は戸惑っている。ココのママがソビエトとの冷

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小説 秋物語り 13
2019年10月10日20:02

小説 秋物語り 13 美紀の帰りが遅いことを心配して、門の前で待っていた美紀の父親は、送って来た相手が沖田であったことにほっとしたようだ。翌日の昼休みに顔を出した美紀に、沖田は言った。「美紀さんも美紀さんのお父さんも、俺のことを男と見ていな

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小説 秋物語り 12
2019年10月09日20:16

小説 秋物語り 12「5年ほど前、都城で新聞配達員が消えた事件があったらしいけど、知らない?」「あ、知ってる。大きなニュースだったもの・・拳銃で撃たれ、連れ去られたらしいと、うちの病院にまで警官が来たわよ。父の話しでは、県警本部からも応援が

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小説 秋物語り 11
2019年10月08日20:19

小説 秋物語り 11 美紀が沖田の開いているはずが無いと思いながら立ち寄った日、美紀は昨年結婚し、先月に赤ちゃんが産まれたばかりである従妹の松島千恵美を訪ねた。5歳も年下だが家が近所だったこともあり、幼馴染みであり、唯一何でも話せる友でもあ

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小説 秋物語り 10
2019年10月07日20:22

小説 秋物語り 10「コーヒーを点てるとき、まず粉を蒸らしますよね。なぜだと思います?あ、これはお父さんならわかりますよね」「えっ、わかりません。本に、30秒ほど蒸らすって書いてあるからそうしてるだけです」「娘さんの前ですけど・・大人だからい

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小説 秋物語り 9
2019年10月06日20:27

小説 秋物語り 9 沖田は黙って美紀の話しを聞いた。美紀は、小学校高学年からいじめの対象になり、友人も出来ずに悩んで来たらしい。原因は男子生徒のちょっかいと、女子同級生のやっかみだった。 警察官である父親は、そのことを予想していたのかも知れ

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小説 秋物語り 8
2019年10月05日19:20

小説 秋物語り 8「お酒飲んだって言ったのは嘘・・マスターが顏が赤いって言うんだもん。ちょっとテレちゃった・・」 美紀はいっそう顔を赤らめ、慌てて訂正した。「恥ずかしいわ。正直にいうとね。この歳で男性と2人きりで話したこと無くて、自分の大胆

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小説 秋物語り 7
2019年10月04日21:28

小説 秋物語り 7「本気にするわよ」 その夜の美紀は、いつもの拒否反応を出さず、沖田の言葉を受け入れた。頬がちょっと赤い。「飲んでるの?」「少しね。ちょっと酔い覚ましの意味もあって、駐車場借りるつもりだったの」「飲酒運転はやばいぜ。コーヒー

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小説 秋物語り 6
2019年10月03日22:33

小説 秋物語り 6「もしもし・・マスター?」 沖田がデコレを終えた生クリームケーキを冷蔵庫に治し、片づけを始めた時だった。不意に店の電話が鳴った。「ひょっとして美紀さん?どうしたの?こんな時間に?」 時計を見ながら沖田は応えた。午前0時を5分

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小説 秋物語り 5
2019年10月02日23:04

小説 秋物語り 5 オープン初日から来ている常連客、松原美紀32歳の歯科衛生士と、沖田は特に親しんでいた。車で5分もかからぬ場所の歯科医院に勤務している美紀は、小柄だが豊かな胸と透き通るように白く滑らかな肌を持ち、一度はキスしたいと思わせるセ

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小説 秋物語り 4
2019年10月01日22:53

小説 秋物語り 4 異様に蒸し暑かった夏が終わり、彼岸花が咲きだした頃、都城市のに自家焙煎コーヒー店がオープンした。屋根の傾斜が急な2階建てで、紅く塗られた屋根と店回りに植えられた楓やつつじの刈込み、壁を這う蔦がおしゃれな洋館である。 26

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