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2020年10月29日19:33

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妄想小説 暁烏 99

小説 暁烏 99
「母さんまた勝手なこと言って無かった?」
 画面の向こうで義信が言う。沈黙に耐えられないようだ。
「義信と俺が連絡を取り合ってると母さんは思ったようだよ。義信のことをしきりに聞きたがっていた」
「お父さんに合わせる顔が無いと思ったんだよ。僕は母さんの浮気で出来た子なのにと、申しわけなくて・・」
「そんなこと考えていたの?」
 俺は義信が俺を避けた理由を理解した。義信なりの気づかいだったのだ。俺を嫌って避けていたのではない。
「母さんと結婚する前に言ったことなんだけど、父さんは血縁では無く、一緒に育った環境が親子になると思っている。だから、もし、義信と血縁関係に無くても俺の息子は義信だけだよ」
 俺は後頭部に洋子さんのおっぱいがあることを意識しながら義信としゃべっていた。不謹慎なことだが、随分長い期間、女性が傍にいるってことにご無沙汰だ。洋子の身体から熱がでているみたいに後頭部が暖かい。
「ひょっとしたら母さんが浮気をしているんじゃないかと嫉妬したことがあるよ。好きだという気持ちも無いままに結婚したって感じだったけど、父さん、少しは母さんを好きになっていたかも」
 義信が産まれた時、俺は母親になった女性のすごさを実感し、とても勝てないと思った。女房は産休で1年ほど仕事を休んだのだが、赤ん坊の世話は大変であることは見ていて解った。おむつの交換、急な発熱。夜泣き。赤ん坊が産まれただけで、仕事が倍増したような感じに見えた。
 俺は出来るだけ女房の負担を軽減したいと思ったが、オムツの交換、特にウンチをされた時などお手上げだ。臭いと見た眼でオムツ交換ができなかった。
 そんな時、ふと赤ん坊の眼に父親はどう映るのかと考えた。赤ん坊が目覚める。母親はすでに起きて台所にいる。父親はだらしなく寝ている。父親が仕事へ行く。赤ん坊の眼には父親がいなくなっただけだ。どこで何してるのかわからない。それに引き換え、母親は赤ん坊をあやしながら掃除をしたり洗濯をしたり・・赤ん坊の眼には、母親はいつも自分の傍にいて、自分を見守る存在だ。
 夜中に目覚める。父親は酒臭い息で寝ている。母親はまだ働いている。洗濯物をたたんだり、明日の食事の下ごしらえをしていたり・・休日の父親は最悪だ。「疲れた」「休みくらいゆっくり寝たい」と愚痴りながら飯を食い、テレビを見、昼寝。夜はよっぱらってテレビ。早起きした母親より先に高いびき。
 赤ん坊の眼に映る父親は何ともだらしなく情けない。そう思った俺は、なるべく早起きして義信を抱き、近所を散歩したりした。が、それ以上に女房は義信と接している。赤ん坊が幼児となり、自分の意志を持つようになると、呆れるくらい真剣に子供と喧嘩する母親。対等な人格として子供を認め、そのうえで子供の将来を考え、しつけを行う。父親は、適度に子供と遊び、大人になったら一緒に酒を飲むことしか考えていない。義信の教育は自分がする、親権は自分にあると主張する女房に反論など出来なかった。(続く)

コーヒークウネル日記コーヒー
 今日もなんとか1話。素人の癖に危なっかしい妄想小説の連載ですね(笑)ところで、最近の朝は霧が出て朝焼け狙いの散歩する気が失せます。それを理由に散歩をさぼっている面もありますが(笑)
 でも足腰が弱っているのは痛切に感じています。で、今日はある程度小説を書いてから早水公園へ行って見ました。今日は植物園の方へ・・この2〜3日で、紅葉が進んで来ました。でも、今日は薄曇りで、透過光が無く、色が鮮やかになってくれません。それでも写真が無いから撮るクウネル(笑)
 写真は発見力だと思っているので、やたら歩いて、眼に付いたものをパチパチして来ましたが、まだパソコンに読み込んでいません。夕食時にテレビを見たら、ついつい別なチャンネルで面白そうなものをみつけ・・
 で、今日の写真は一昨日青井岳で撮ったものになります。ミクシーのアップ後写真を取り込み、ブログにアップしようと思っています。
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