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2020年10月28日18:18

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妄想小説 暁烏 98

小説 暁烏 98
「母さんと離婚したんじゃないの?」
 義信は、予想どうり怒りの表情を見せた。
「離婚はしたけど、憎み合って離婚したんじゃないよ。言葉の弾みで離婚になったのだから・・」
「母さんはそう言ってなかったよ。公証役場のコピーを送って来て親権は自分にあるって、主張したんだよ」
 その辺の事情を俺は知らない。女房に公証役場に呼びだされ、女房が離婚を考えていたことに動揺し、夕方店へ来た女房とちょっと言い合いになって、短気な俺は店の鍵を女房に渡して飛びだしたのだ。ホームレスになって自分を罰したい感情になっただけだ。
 が、それが大きな間違いの元だった。俺は常連さんに別れも告げれず、パソコンを失ったので真理さんや義信に連絡を取れなくなった。
 ネットカフェの存在は常連さんから聞いたことがあったが、利用方が解らない。店にパソコンを置き、ホームページを作ったりしてはいたが、パソコンに詳しい定連さんが一切合切をやり、俺は文章を書いたり、写真をアップしたりと、必要最小限のことしか知らなかった。店を飛び出した時点で、真理さんや信義との連絡手段を失っていたのだ。
 俺を拾ってくれた新聞販売所の所長が、ある程度パソコンの扱いに慣れていて、離婚後3年ほどしてから中古のノートパソコンを譲ってくれ、ネット契約をしてくれたのだが、俺は真理さんのホームページを見つけることが出来なかった。
 連絡がつかないからと諦める・・それが俺の弱点であることは解っていて、時々思い出したように検索したりはしたのだが、検索が下手なのだろう、一度もヒットしなかった。そうして俺のパソコンは無料動画を観たり、趣味の撮影時に知り合った写真仲間に教えられた写真ブログを観るだけの道具となっている。そんな状況を義信に告げ、謝るしかない情けない父親・・
「母さんに追い出されたことを聞いたからね。どうしてるだろうって、真理さんと心配してたよ。洋子さんが仕事で宮崎に行くって言うから、できたら父さんを探してって頼んでいたんだ」
 女房との再会。義信との再会。元来涙もろくて、絶対泣くだろうと思っていたのだが、意外と涙がでないものだと、俺は不思議な気持で画面を見ている。洋子が俺の背後に立ち、型に両手を置いた。(続く)

コーヒークウネル日記コーヒー
 昨日歩き回ったせいか、天気が微妙なせいか、今日はダウンです。ただ眠いだけで、ひたすら眠っていました。さすがに夕刻には眠気も取れ、諦めていた小説も書くことが出来ました。えらいえらい(笑)
 写真は昨日、青井岳で撮ったものです。えびの高原など高い山へ登ればもっと紅葉してるかも知れませんね。あ、それに写真ブログの仲間が渡り蝶の「アサギマダラ」の写真をアップしてました。小林市の植物園の一角に集団で来てるってことを聞いて、一度撮影に行って見たのですが、ベテランカメラマンさん達が良い場所にカメラを2台も3台も設置し連写で毎日1万枚撮っていると聞いて恐れました(笑)今年はどうしよう、言って見るべきかな?ちょっと覗いて紅葉探しのドライブになるかもしれませねんが・・

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