小説 暁烏 95
女房との偶然の再会は、ひょっとしたら必然なのかも知れない。そのことを俺は後に知るのだが、そのt期はまだ何も知らなかった。
塾の準備があると言う女房と別れ、俺は油津商店街をぶらついた。アーケードの天井から吊るされたビニールの傘は写真的だった。カラフルな上に高低差があるので、画的に面白い。どう構図するかがカメラマンのウデであり、感性かも知れない。 スマホで撮影している女性や、立ち止まって見物している人たちを添景に俺は構図した。前後をぼかしたり、露光オーバーにしたりアンダーにしたりも試みた。
俺が大堂津の宿舎に帰ったのと、マスターと咲さんが都城から帰ったのがほぼ同時だった。
「良い撮影スポットが見つかった?」
咲さんが聞く。
「それを考えてこの場所にしたのじゃないの?」
「もちろんそうです。お店はそう儲からなくても良いのですから」
マスターが笑いながら応じる。
「でも、あんまり写真撮る時間はないですよ。赤崎さんには健康維持のため、もっとスポーツをやってもらいます。トレーナーがつきますからさぼれませんよ」
「スポーツ?それは困る。トレーニングなんて大嫌いなんだ」
「だいじょうぶです。ウインドサーフインと社交ダンスです。これは趣味でやってましたでしょ?」
「さすが調べ済みってことですね」
俺は笑った。もともと運動は苦手で、好きでもない。野球やサッカーなど誰もが好きなチームを持っていて、自分はしなくてもテレビなどで見るのは好きと言っているが、俺は観るのも好きでない。そもそも、自分とまったく接点のない他人が競技しているのを見て応援する気持ちを理解できない。
そんな俺は、なぜか社交ダンスとウインドサーフインには興味を持った。社交ダンスは人慣れ、特に女性に慣れる手段として教室へ通ったので、スポーツと言う感覚はないし、ウインドサーフインは風を捉えると言うことに興味を持ったもので、正直、これもスポーツと意識してのものではない。子供の時、カヌーのような船を漕いで釣りへ出ることが多かったが、帆を張り風を捉える帆船ならもっと楽なのにと言う発想に起因している。
そんな話しをしているうちに夕食の時間になった。その席で俺は驚きの再会をする。(続く)
クウネル日記
なんとか風邪を悪化させずに済みました。よく食べ良く寝たせいでしょうね(笑)今日は宮カメへフォトコン入賞の賞状と副賞を貰いに行きました。「大きいですよ」と店長が電話で言っていたので、副賞は何だろうと思っていたら、A3の額に入れた応募作品と、大きな段ボール箱・・段ボール箱の中身はなぜかトイレットペーパーとティッシュ(笑)ローカルですね(笑)
帰りに神柱公園へ寄って見ましたが、期待した若い女性はほとんどおらず、寒さで風邪をぶり返しそうだったので、早々に退散(笑)
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