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2020年10月20日21:45

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妄想小説 暁烏 94

ワイングラス小説 暁烏 94ワイングラス
「大堂津?途中の左手に入り江があるのが解る?今工事をしているとこ」
「あぁ、あるわね。ドライブインができるらしいわよ」
「知り合いに勧められてね。そこで働くことになってるんだ俺」
「嘘〜作業員宿舎があるでしょ。そこの食堂で朝だけバイトしてるのよわたし・・」
「あれまぁ・・俺は今日の昼過ぎに初めて来てみた。ロイだっけ、ジョイだっけ・・アメリカで軍医をしていたという外人と栄養士だという太ったおばちゃんを紹介されたよ」
「相変わらず自分にしか関心がないのね。紹介されたのなら、ちゃんと名前を覚えないと失礼よ。お父さんの悪い癖」
 女房の表情にロイへの好意が現れた。考えて見ると、女房は外人的思考回路の持主のようだ。辛いか甘いか、白か黒かをはっきりさせたがり、あいまいな考えを嫌っていたのだ。周囲の様子をうかがいながら目立たないように、トラブルを起こさないようにと気遣う俺にいらだっていた。
「朝だけバイトって・・今は教師をしていないってこと?」
「午後から夜は塾で講師をしてるのよ。だから働けるのは朝だけ」
「彼氏は?」
「不倫相手?教育委員会にいたからね。公にしないって条件で付き合っていたけど、わたしの欲で義信を作ったもの・・その時点で別れるつもりだったのよ」
「でも別れなかったろ?」
「男って狡いわよね。結局私が便利だから別れるのは嫌だってごねちゃって・・」
 俺はその頃の女房の心の揺れに気付いていた。女房は、俺を好きになろうと努力していた。時々、女房の愛を感じることがあったのだ。俺が髪の長い女性が好きなことを知って髪を伸ばしたり、抱かれたい雰囲気を見せたこともある。
 天邪鬼の俺は、そんな女房をかわいいとは思ったが、意地をはった。「セックスが目的で結婚したわけではない」と言った初夜の言葉が、重い鉄塊になって心にあり、いまさらと言う言葉が鎖になって身体に絡みついていたのだ。(続く)

コーヒークウネル日記コーヒー
 2〜3日前から痛み出した首と腰が今日はひどく、椅子に長く座っておれませんでした。パソコンの画面がおかしくなって小さな文字がよみずらいのもあるし、年齢的な疲れやすさもあったのかな?おかげで今日は細切れに何度も根ています(笑)写真もストックが無くなりました。せっかくの上天気でしたが・・
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