mixiユーザー(id:57559642)

2020年09月15日18:57

63 view

妄想小説 暁烏 64

ビール 暁烏 64
 女房はしかし、コーヒーを飲まなかった。誰かに電話をし「友達に会って来る」と言って部屋を出る。コーヒーを持って俺は再び義信の部屋へ上がる。義信にコーヒーを渡して店へ出た。1時間遅れの開店。バイトの恵美ちゃんと美佳が、入り口で待っていた。
「どうしたのマスター?」
「悪い悪い。ちょっと女房とトラブル・・」
「夫婦喧嘩?」
「喧嘩するほど仲良くはないけどね」
 美佳とじゃれ合いながら大急ぎで店を開けた。世の不思議は悪いことが重なることだ。店を開け、客が入りだした頃に電話があった。保険会社の者だと言う。
「奥様が車をぶつけました」
「相手は?怪我は?」
「自損事故です。スピードの出し過ぎでカーブを曲がり切れなかったようで・・」
 彼は女房から電話を受け、すぐ現場へ駆けつけ、警察への報告など事故処理中だが、女房を迎えに来て欲しいと言う。たぶん女房の横柄な態度に振り回され、都城まで送り届ける気を無くしたらしい。
 ほっとくわけにも行かないので場所を聞き、店の営業を中断することにした。恵美ちゃんと美佳が、臨時休業の張り紙を出し、来店中のお客様が帰ると同時に閉店することにしてもらった。店の鍵は恵美ちゃんに預けた。
 現場に着くと、警官が女房を尋問中だった。その横で保険会社の営業マンらしい若い男がオロオロしていた。カーブの多い山道で、どれだけスピードを出していたのか車は山側に突っ込んで大破していた。他の車や人を巻き込まなかったのが、不幸中の幸いである。事故処理は保険屋さんがしてくれるというので、俺は女房を病院へ連れて行くことにした。どこも怪我をしていないと女房は言い張ったが、おでこに少し血があったし、腕も痛そうだった。
 店の近くに開業したばかりの脳神経外科があった。俺が鹿児島市で働いていた頃医学部の学生だった男が院長だ。彼が大学を卒業してからまったく会っていなかったが、不思議な縁ですぐ近くに開業すると言う。病院建設中の打ち合わせで店へ来、再会した。病院を開業してからも、美人の奥様と時々顔を出す。
 結構評判の病院で、待合室は患者であふれていたが、受付事務をしていた奥様が俺に気付き、交通事故だと伝えると救急患者として対応してくれた。結果、脳内出血が解って即入院。即手術。俺は洗面用具など、入院に必要なものを取りに帰宅。さすがに義信も驚いて一緒に病院へ行くと言う。病院へ行く前に、店へ寄ったら戸高さんがいた。臨時休業の貼り紙にどうしようと思案していたと言う。
 これまた偶然に戸高さんは携帯電話の販売店に勤めていた。俺はずっと店にいるのだからと、戸高さんから携帯電話の契約を勧められても断っていたのだが、実際今日のようなことがあると、携帯電話の必要を感じ、手続きを依頼した。(続く)

コーヒークウネル日記
 不安定な天気が続いています。妄想小説の書きだめも出きずにその日暮らしです(笑)今日、整骨院に行ったら、先生から背中がバキバキに固まっていると言われました。逸翁整骨院の後、小林か日南どちらかで写真を撮るつもりで、カメラは車に積んでいたのですが、治療が終ったら撮影意欲無し。そのまま帰宅して昼寝でした(笑)
 さっきフエイスブックを見たら、写真クラブのメンバーの一人が酒谷棚田で撮影した彼岸花をアップしてました。頑張って撮影に行かないと、時期を逃しますね。でも天気はまだまだ時々雨で続きそうです。参った・・今日の写真は長田峡で撮った彼岸花。
2 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する