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2020年09月11日17:49

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妄想小説 暁烏 60

ビール 暁烏 60
 俺の息子義信が俺の血縁であるかどうかを俺は知らない。新婚初夜から夜の営みを拒否していた女房が、どんな心境の変化か俺を襲った時、俺は深酒をしていたし睡眠薬を飲んでいた。夢うつつで女房を抱いたのは確かだが、もったいないことに快感の記憶は無い。
 妊娠したと告げられ、次第に膨らむ女房の腹に、俺はそれでも嬉しかった。夜の営みがたった1度でも、たとえ怪しくても、自分が父親になれる。子供はまだか?と周りから問われなくて済む。それだけで俺にはじゅうぶんだった。血縁では無く、一緒に暮し育つことが、親子の絆を作ると思っていた。子供は育てるものでなく、一緒に育つものだと思っていた。
 義信はだが、少し哀れでもあった。女房は自分が教師であることのメンツか、常に成績一番を求める。他の教師のレベルが低いと愚痴り、早朝から深夜まで自分が付きっ切りで勉強させる。俺が口を挟むと怒る。子供が大事じゃないのかと詰られる。当然、成績トップで高校へ進学した。
 高校3年の2学期、義信は女房の専門である数学で学年トップを取れなかった。当然かもしれない。頭の良い学生ばかり集められた特待生クラスだ。頭も良いがスポーツも楽しみゲームも楽しむ、いわば総合的に判断する能力を身に付けた者に、勉強ばかり強いられて来た者が勝てるはずが無い。俺はそう思うのだが、女房は違った。
 義信が懸命に勉強していることは、女房が一番知っているはずなのに「勉強が足らない」とこれまで以上にべんきょうすることを求める。反抗期でもあったのだろう。義信は顔を真っ赤にして自室にこもり、部屋から一歩も出なくなった。内鍵をしているのでドアを外から開けれない。女房の怒りは俺に向く。
「あなたが何か言ったのでしょ。責任を取りなさい」
「俺が何か話せたか?義信と話せたのは幼稚園へ行った頃までじだったろ。後は俺が義信と話してると邪魔ばかりしたんじゃなかった?」
 だいたいのことは我慢する俺だが、嘘を本当にされては困る。時々は女房に反論し、そんな喧嘩は時々あった。女房は確かに頭が良い。自分が不利になると黙ってしまう。自分も部屋へ引きこもってしまった。義信が心配で、俺は義信の部屋に声をかけた。
「お父さんの考えが正しいとは言えないかも知れないけど、話しを聞いて欲しい」
 義信が黙って鍵を開けた。まさかドアを開けるとは思っていなかった俺はとまどいながら義信の部屋に入った。俺が10代の頃、壁や天井には水着の女性ポスターやカレンダーなどを壁にも天井にも貼り、本棚を漫画で埋め尽くしていたのだが、その種の物はひとつもない。教科書や参考書ばかりだ。
「義信は趣味とかないの?」
「そんな暇ないよ。解ってるくせに・・」
「悪い悪い・・ネットが繋がっているんだからユーチューブを見たり・・そのくらいは出来ると思って・・好きなアイドルとかいないの?」
 めったにしゃべることの無かった義信が、意外と心を開いてる・・そう感じながら、俺は義信と話し出した。(続く)

スポーツクウネル日記
 昨日はダウンでした。多分天気のせいですが・・‥今日はちょっと復活指でOKと言ってもまだ危なっかしい。時々眩暈がするのでビクビクしています。小説もあらぬ方向に進みました(汗)今週はずっとこんなかな?

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