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2020年09月03日17:51

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妄想小説 暁烏 53

ビール 暁烏 53
 電話の着信。久美子さんからだ。姓名鑑定士。勝手に俺の鑑定をし、俺に離婚と再婚を薦めた女。電話に出ろ目配せをする咲さん。
「マスター、もう退院したんだって?」
「あぁ、びっくりするくらい治りが早くて・・病院の先生から宇宙人だと言われたよ。こんなに早く治るはずはないんだって・・でも貧乏人だからね、早く退院して入院費を安くしないとね」
「馬鹿ね。お金はわたしが出すわよ」
「だからわたしと結婚しろなんて言わない?」
 店の常連さんとしゃべると、すぐに当時の俺に戻る。誰もがいまだにマスターと呼び、当時と同じ気安さで接するからかも知れない。女房から離婚を告げられ、閉店挨拶もせぬまま姿を消して以来、5年か6年は経っているのに、警察が身元確認に電話した戸高さんの連絡網で俺の入院を知った数人の常連達が駆けつけてくれた。客とマスター以上の繋がりを持ってくれていたようだ。
「マスターはわたしと再婚した方が良いのよ。そういう運命なんだから諦めなさい」
「運命かぁ・・でも俺にだって好き嫌いはあるしね」
「今アパートでしょう?すぐ行くから待ってて」
「行くって‥今どこよ」
「ふふ、コンビニ前で信号待ちしてるの。アパートは戸高さんから聞いてたし・・」
 戸高さんにはアパートの場所を教えていた。携帯電話に「愛人」として登録されていたので、警察から電話を受けて駆け付けた戸高さんとの関係を、刑事にわかってもらうためにも、戸高さんの質問に正直に答えていた。刑事は、戸高さんと俺との会話をちゃん聞いていた。戸高さんを病室に呼んだのも、俺と戸高さんの会話を聞くためだったと思う。
「お客様のようね。そろそろわたしたちは失礼するわ。明日、どうせ病院に来るでしょう?その時お店で・・」
 咲さんが立ちあがり、マスターも立つ。
「あぁ、これを・・」
 マスターがカギをポケットから出した。バイクや部屋の鍵、それに車のキーが付いている。先に来て部屋を掃除してくれていたのだから、鍵を持っていて当然だ。入院中、俺はまったく鍵のことなど考えずにいたのだが、警察から返却されたものの中にあったのだろう。
「あ、車はジムニーに換えてあります。こちの都合ですが、以前の車では不便ですので・・」
 ドアがノックされ、久美子さんが顔を出す。先客がいることに驚いていた。(続く)

コーヒークウネル日記
 台風9号は宮崎県の北部をかすめたようで、昨日の昼ちょっと風が強かっただけに終わりました。北部の日向などはあめもすごかったようですけどね。怖いのは10号です。風速50メートル以上。上陸の恐れありとか。今日は晴れていますが明日はまた雨模様です。気圧の変動で頭痛やめまいが時々あるので、今日も引きこもりです。眩暈で救急搬送された経験があるので、少しの眩暈が凄く怖い。歳を取ると孤独死の恐怖を身近に感じます。どうにか今日の分の小説は書きましたが、面白くも無いのに申しわけないです。認知症がこわいので、少しは頭を使おうとの魂胆ですから、読み飛ばしてください(笑)
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