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2020年09月01日19:06

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妄想小説 暁烏 51

ビール 暁烏 51
 その夜、俺は早番だった。午後3時に店を上がり、当時趣味にしていたウインドサーフィンを大杉君達と楽しみ、帰宅したのは午後8時。女房は学校の同僚たちと飲み会があることを聞いていたので、そのくらいに帰っても大丈夫だったのだ。酒を飲まない女房は、2次会へ行ったとしても10時くらいには帰って来る。
 寝酒が習慣になっていた俺は、たまには女房に「お帰り」と声をかけようかと、台所でゆっくりと酒を飲みながら女房の帰りを待った。夜の営みがまったく無い夫婦だが、俺と女房はそれほど仲が悪い夫婦では無い。3年も経つと、それなりの情念も湧く。
 だが女房は10時を過ぎても帰って来ない。事故でも起こしたのではと心配になる。読んでいる小説が全く頭に入らない。別に女房の帰りを待つ必要はないのだ。女房とは毎朝顔を合わせ、少し会話をする。気が向いたら一緒に買い物へ行ったり、外食したりする。女房も俺も、一定の距離を持ち、それぞれのリズムで生活している。
 11時になり、午前0時になる頃、俺は自分の感情がいらだっていることに気付いた。明るく笑って「お帰り」と言うはずだったが、声を出せば怒りの言葉を吐きそうだ。自分のそんな感情に驚く。
 午前1時、女房の車が帰って来た。このまま顔を合わせるのはまずい・・俺はチビチビ飲んでいた酒を一気にあおった。同時に、眠れないと訴えて病院で処方してもらった睡眠導入剤を飲んだ。女房と顔を合わせても、ろれつが回らないほど酔っていたかった。間違えても怒りの言葉を発してはならない。
「まだ起きていたの?」
 女房が驚いた顔で俺を見た。
「遅かったね。俺はもう寝るよ」
「酔っぱらってるけど大丈夫?」
「平気・・飲み過ぎただけ・・」
 フラフラと自分の部屋へ行き、布団へ潜り込む俺。薬を飲んでいるから、すぐに寝るだろう・・そう思ったのだが、意外に寝れない。頭の芯に不思議な渦があった。怒りや不満、願望や妄想・・俺は渦の正体を見極めようとしている。
 女房の突飛な言動は、テレ隠しであることに気付いていた。女房は自己表現が下手だ。嬉しい時は素直に喜び、甘えたい時は気軽に甘えれば、もっと楽に生きられるのにと感じていた。天邪鬼女房の言動を可愛いと思ったりしている俺・・
 睡眠薬が効いて来た。感情の渦が静かに消えて行く。ひとつ、またひとつと、意識の扉が閉まって行く。
 そのとき、何を考えたのか女房が俺の布団へ潜りこんで来た。裸だ。柔らかな乳房が肩に当たる。
「どうした?何があった?」
「ねぇ、そろそろ子供作らない?」
 子供を作る?どうして?どういう気まぐれ?一気に覚醒した意識。とまどいながらも高まる欲情。(続く)

コーヒークウネル日記
 台風の影響でしょうね。クウネルはしばらく苦しみそうです。昨日は整骨院へ行ったら月末は午前中のみ診療(笑)暑い中午後一の予定を組んでいた僕は治療できず(汗)今朝は雨が降る前に洗濯済ませて置こうと、朝食後すぐにコインランドリーへ。念のためにカメラを持ってでたのですが、思わぬ朝焼けでした。何が起こるかわからないのが世の常ですね(笑)ただ、住宅街から見る朝焼けは電線ばかりで困りました。風景ではないですね(笑)
 

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