mixiユーザー(id:57559642)

2020年08月30日20:15

35 view

妄想小説 暁烏 49

ビール 暁烏 49
 初夜なのだ。手を出さぬわけには行かない。そのくらいの礼儀は俺も持っていた。夜の営みは結婚生活の一部で、欠かすことが出来ない営みのはずだ。
 おずおずと手を出した俺に、女房の強い怒りの声が飛んできた。
「そんなことするためにわたしは結婚したのではありません」
 じゃぁなんのために結婚したんだよと言いたかった。好きでも嫌いでも無く、たった2回会っただけ、しかも、俺に答える隙を与えず、車で走り去る直前に一方的に「3月にしよう」と言ったのは誰だ?
 結婚とは知らない他人どうしが、喧嘩をしたり協力し合ったりしながら一緒に暮し、夫婦と言う絆を深めて行くものでは無いのか?
 言いたい言葉があふれそうになる。家具選びの時、自分はベッドでないと寝れないからと、部屋に入るのかと心配になったほど大きなダブルベッドを買い、現に並んで寝ているのだ。触れた身体が熱くなり、つい、おっぱいに手を出した俺が悪いのか?
「あなたは自分の子は欲しくないと言ったのよ」
 起き上がって睨む女房。
「自分そっくりの人間が生れるのはぞっとする・・だが子供が欲しくないと言った覚えはない。子供は授かりもんだから、欲しくてお出来ない場合もある。どうしても欲しければ養子縁組って方法もあるって言っただけだよ」
「あなたはセックスが目的で結婚したの?わたしは娼婦じゃないわよ」
「セックスが目的で結婚したわけではない。だけど、身体を触れ合わせることも大事なことじゃないかなぁ・・初夜の・・普通の儀式だと思うのだけど・・」
 考えて見ると、俺は一般論でしか認識していない。初夜は誰もが手を出す物だと思い込んでいた。自分の子が欲しくなくても、礼儀として手を出さねばならないと・・
「わたしは好きでも無い人とセックスしようとは思わない」
「でも、結婚したんだよ。夫婦として過ごさねばならない。セックスをどうするか、まずは話しあおう」
「そんな話ししたくない。話題にしないで」
 正直面食らった。新婚旅行も無く、女房と会う機会も無く、どうしよう、どうしようと思いながら俺は覚悟を決めたのだ。好きとか嫌いとか考える必要はない。一緒に暮し出してから好きになれるよう努力すれば良いのだ。相手を理解し、協力して夫婦の絆を深めれば良いのだ。(続く)

コーヒークウネル日記
 台風6号が沖縄に近付いているようですね。また体調が悪くなるかもしれません。頭はすでにパーチクリンです。今朝は元気で日t眠りもせずに散歩撮影へ行き、たくさん撮った割にはろくなものが無く落ち込んでいます。
 
1 6

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する