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2020年08月03日19:33

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妄想小説 暁烏 22

蟹座 暁烏 22
 翌朝、6時過ぎに咲さんの店へ行った。開店は10時か11時だろうと思っていたが、入り口に営業時間が書いてないかと、確かめるつもりだった。看護婦詰め所へ「散歩へ行く」と伝えに行くと、「7時に検温があるから、その時までに戻りなさい」とおばちゃん看護婦に言われた。夕食の配膳は若い看護婦だったから、深夜勤務で入ったのだろう。それとも受け持ち病室が違ったのか?
 店の前で咲さんが花壇の手入れをしていた。俺が来ることを予想していたかのように振り向く。
「おはようございます。早いですね」
「僕のセリフですよ。何時から営業しているのですか?」
「お爺ちゃんの朝が早いのですよ。仕方なくわたしも早起き・・タバコ吸いたいのでしょ。どうぞ」
「もう営業しているのですか?」
「お爺ちゃんが散歩から帰って来るまでコーヒーは出せないですけど・・」
「咲さんはコーヒー点てないのですか?」
「お爺ちゃんの仕事ですから・・」
 微笑む咲さんの顔を見ながら、俺はつい苦笑した。必要なことは助ける。が、仕事は奪わない・・ひょっとしたら、俺と同じタイプかも知れないと思ったのだ。
「おかしいですか?」
「いや、 良いことをしてるなぁと思って・・」
「良い事?」
「男ってさ、変なプライドがあって、自分の仕事を奪われると予想以上にショックが大きいんだよ。俺の役目はもうないなんて、いじけたりするしね。マスターがコーヒーにこだわってるいるなら、できるだけ任せた方が良いと思う」
「経験者は語る?」
「そう、少なくとも俺は、もう歳なんだから店を息子に任せろと、女房に言われたのが大きなショックでね。生きる望みを失った・・」
 笑みを崩さず、カウンターの引き出しから美佳のタバコを出す咲さん。俺がタバコに火を点けるのを待って灰皿を出す。(続く)

獅子座クウネル日記
 梅雨が明けたと思ったら、早速台風のニュースが出てましたねぇ・・進路は中国、日本へは来なさそうですが、敏感な僕の身体は今朝の配達時から気圧変動を感じています。配達中にメチャ頭痛がしてまいりました。おかげで今日は散歩撮影へ出る気も無く、小説を少しでも書き貯めようと、整骨院もサボりました。思った帆とかけず、けっきょくドラマを観て終わりましたが(笑)
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