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2020年07月27日21:38

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妄想小説 暁烏 15

蟹座 暁烏 15
 20代後半か30代らしい女性。マスターと違って、白いブラウスに、ピッタリ身体に貼り付いた少し赤みがかったピンクのスラックス。花柄の小さなエプロン。和装が似合いそうな顔立ちの女性が、エプロンで手を拭いながら厨房から出て来た。
 不思議なことに、俺には一瞬朝焼けに染まる川霧の前に立つシラサギのように見えた。昨日、俺はそのシラサギを写真に捉えようとした。そのときに、俺は高校生らしい数人の若者に絡まれ、もみ合いになり背中を切られた。だれかがナイフを持っていたようだ。降り向い俺はさらに何カ所か切られた。痛みは感じなかったが、掌に血があったことを覚えている。そのまま俺は気を失った。
 眼が覚めたら病院にいて、戸高さんや刑事が見守っていた。昨日の朝のことだが、何日も前のことのようにも思える。美佳が看護婦として現れた時、美佳が喫煙者であることをしっていた俺は、タバコが吸いたいとダメモトで甘えた。美佳がこっそり、タバコを吸わせるとは思わなかったが、明日の昼過ぎまで待てと言われた。病院内では吸えないが、秘密の喫煙場所を教えると行ったのだ。そして、この喫茶店へ連れて来られた。
「咲さん、ココのマスターよ。覚えてる?」
「うん・・美佳ちゃんとこに入院してるの?」
「昨日、救急搬送されて来たのよ。入院してるのにタバコ吸いたいなんて言う不良患者」
「ふふふ、美佳ちゃんがそう言う?」
「お爺ちゃん、コーヒーをお願い・・」
 咲と呼ばれた女性は、黒シャツのマスターに言い、俺に会釈した。
「あ、咲さん、コーヒーはひとつで良いわよ。わたしはすぐ行かないと・・これからデートなの・・」
「マスターは10分だけよ。2時には病院へ帰ってね。遅れると脱走がばれるから・・タバコは咲さんに預けて・・」
 美佳は、まだ台風娘のようだ。ここでも常連のようだが、言いたいことだけ行って店を騒がせ、さっと去っている様子。咲と呼ばれた女と俺が同時に時計を見、顔を戻した時、すでに美佳の姿は無い。
「わたしのこと覚えてませんよね。一度お会いしただけですから・・」
「正直覚えてません。でも・・変な話しですが、昨日の朝、僕は近所の川で写真を撮ったのです」
 どう説明すればわかってもらえるだろう?とにかく俺は説明するしかない。朝焼けに染まる川霧。その前に立っていたシラサギ。俺には、シラサギがスラリとした足の長い美女に見えた。形としてシラサギと認識しながら、クレオパトラや楊貴妃にも勝る美女として認識する不可思議な感情。構図や露出を確かめながら夢中でシャッターを切った事・・厨房から顔を出した咲が、その時の美女に見えた事・・(続く)

獅子座クウネル日記
 配達時は降りませんでしたが、配達が終る頃から降ったり止んだりの微妙な天気。今日も1話ぶんしか書けませんでした。午後から天気予報では雨だったのですが、陽が射してきたので、洗濯でもとコインランドリーへ。そしたら降りました(笑)
 あ、そうそう、室内干しをした後、PCを起動し、小説を書きだしたら、突然画面が消え慌てました。PCが故障するんじゃないかと、何となく最近予感してたのです。これで、ミクシーもブログも出来ず、ドラマも見れない・・なんて思いながら、電源を入れなおしたり、コンセントを入れなおしたりして見ると復活・・やっぱりミクシーをさぼれません(笑)諦めて、また読書人間になるかと、覚悟を決めたのでしたけどねぇ(笑)
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