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2020年07月21日21:25

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小説風妄想 暁烏 9

蟹座暁烏 9
「強盗に襲われたの?」
 刑事が出て行った後、戸高さんと2人きりになった。戸高さんはコーヒー屋をやっていた時の常連さんだ。年齢は俺よりちょうど一回り若い。店をオープンした時からの客で、当時29歳。東京の大手企業で事務をしていたというだけあって、あか抜けていた。小柄で少し太めだが、自分をおしゃれに見せる才能にたけていた。パソコンの操作にも慣れていて、俺が不慣れなパソコンでホームページを作る時など、ずいぶん助けてくれた。
 名前は愛海。何かの流れで、戸高さんが俺の携帯に自分の番号を登録したことがあったのだが、後で見ると登録名を「愛人」とし、待ち受けを自分の顔にしていた。俺は常に店にいたので、携帯電話など必要としなかったので持ち歩くことも無く、気づくのに遅れたのだが、戸高さんがいたずらで登録した設定を訂正するのが面倒で、ずっとそのままにしていたのだ。後に戸高さんは、建設会社の社長の愛人になったので、愛人と言う登録名はあながち間違いではなくなったのだが・・
「それよりも、何で戸高さんが刑事と一緒にここへ来たの?」
 俺は戸高さんの質問を無視し、自分の知りたいことを訊ねる。俺がなぜ怪我をしたのか?なぜ病室にいるのか?刑事は、俺の問いには答えず、自分の知りたいことだけを知ろうとした。自分がどういう経緯で、入院したのかを知りたいのは俺なのに・・
「散歩をしていた夫婦がね。不良っぽい若者たちが慌てて逃げるのを見て、気になって河川敷へ降りたらしいの。そしてマスターが倒れているのを見つけ、110番したらしいのよ。マスターの携帯を確かめるとわたしが一番で登録してあるし、待ち受けも私になってるしで、電話が来たのよ。身元確認をして欲しいって」
 戸高さんの説明によると、俺は携帯以外に何も持っていなかったので、逃げた若者たちがいたという目撃情報から、事件性有りと判断した警察が、まず俺の身元特定を急いだようだ。
「あ、そうだ。電話・・俺の携帯は?」
「知らない・・警察が持っているのかなぁ・・」
「俺は今、新聞配達をしているんだ。俺と連絡がつかず所長が慌ててるかもしれない。販売所に電話入れないと・・」
「番号は?」
「覚えていない。宮日の郡元販売所」
  戸高さんが自分の携帯ですぐに調べて、電話を俺に渡す。電話はすぐに繋がって、所長が出た。(続く)

獅子座クウネル日記
 今日も明日も暑いようです。もう夏ですね。外を歩くと、陽射しがじりじりと肌を焼き、なんだか熱帯地にいるような感じです。
 ところで、ハッチョウトンボってご存知ですか?体長が2センチほどの小さなとんぼで、
絶滅危惧昆虫とされているらしいです。僕は以前、関之尾で知り合った鹿児島のアマチュアカメラマンさんから「都城に生息しているらしいけで、生息地をしらないか?」と訊ねられ、名前だけは知っていました。
 昨日早水公園で朴を事務所に招き入れ、お茶やお菓子を勧めてくれた公園事務所の所長の本来の目的は、ハッチョウトンボの保存グループの活動をしてて、写真を撮ってくれるカメラマンを探していたようで、それを頼む前に僕がにげだしたので、今日電話がありました。「明日仕事が休みなので、生息地へ観察に行くのだが、一緒に行かないか?」と言うお誘いでした。
 昆虫は得意では無いのですが、そんな珍しいトンボなら、一度はカメラを向けて見たいのでOKすることに・・明日はトンボの撮影が決まりました。宮崎県は北部の高鍋・都城の荘内地区で生息が確認されているようです。
 今日の写真は昨日早水公園で偶然撮った昆虫。
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