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2019年11月10日21:13

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小説 秋物語り 36

小説 秋物語り 36
 記憶が戻ったことを聞いたメアリーは、死んだと思っていた息子が生きていると解った時の母親のような歓びだった。
「すぐにそっちへ行く・・良かった、本当に良かった・・」
「で、俺はどうすればいい?リズたちに報告する?沖田を捨て、中村義之に戻る?」
「それは待って、わたしが診察をしてからにして。とにかくすぐ行くから待ってて・・」
 沖田はメアリーの言葉に従うことにし、部屋へ戻った。少し興奮しているようだ。眠れそうにない。しかし、明日、いや、今日の6時には起きて、ジョアンナやナンシーとジョギングをせねばならない。ベッドのサイドテーブルから睡眠導入剤をとり、口へ運ぶ。
 メアリーが店へ顔を出したのは予想外に早かった。軍用機で沖縄、鹿児島と乗り継いで都城へ来たと言う。店は昼休みのピークタイム。カウンターの隅、美紀の横が1席空いていたので、そこへ座ってもらった。メアリーに続いて来店した自衛隊幹部らしい制服の二人は、店の客では無く、メアリーに入国許可証などを届けに来ただけのようで、書類を渡し、最敬礼をしてすぐに帰った。日米安保条約は友好条約と言われているが、実際はアメリカ従属条約に近いかも知れない。沖田はそんなことを考えながらオーダーの処理に追われた。
「今日は5時閉店にするわよ。ナンシー・・手がすいたら電照掲示板の変更お願いね」
 リズの声に、ナンシーがうなづき、スマホで駐車場入り口の電照板の表示変更をすぐにした。これで、店の前を通る車や駐車場へ乗りいれる車は、営業時間の変更に気付くはずだ。
 店の近くで店内を監視していたチームは、メアリーを知らなかったらしい。リーダーのボブが店内の様子を見に顔を出した。軍服姿の運転手付きで店へ入ったメアリーに続いて駆けつけた自衛隊幹部の入店を警戒したらしい。スーツのポケットからいつでも銃を取り出せるよう身構えている。彼らの怖さは、いつも銃をもっており、必要あればいつでも使う。おそらく車内で監視しているメンバーも銃を用意し、いつでも踏み込む体制を撮っているのだろう。
 警察は、彼らが銃を持っていることを知らない。が、沖田の監視と警護を担当するアメリカ政府の警護員であり、日本政府の許可を得ていることは知らされている。
 ジョアンナがボブに説明して追い返す。呆気に取られている美紀へはリズがメアリーを紹介した。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 明日は休刊日です。遠出撮影をしたい気持ちもありますが、雨雲が空に浮かんでいたせいかな?今日はちと情緒不安定。コインランドリーへ行ったぐらいで、引きこもってしまいました。引きこもっていると、タバコの本数が増えテレビばかり見るのは困ったものです。小説も頑張ってつじつま合わせを書きましたが、sらにドツボへはまったような・・
 今日の写真は青井岳で撮った紅葉の写真です。まだ一部の枝先が色づきだしたってところですが、歩き回ってなんとか紅葉写真に(笑)
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