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2019年11月09日21:09

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小説 秋物語り 35

小説 秋物語り 35
 沙耶のアパートと言うより、中村義之の時に住んでいたアパートを出、店へ帰る途中で監視チームの車が付いて来ているのに気付いた。遠くから様子を見ていた彼らは、沙耶がいなくなったことで、監視から護衛へとチェンジしたようだ。
 店へ戻って時計を見ると、午前1時を過ぎていた。沖田は、沙耶と話すうちに、どんどん記憶を呼び起こした。新聞配達をしていた中村義之、青年時代の中村義之、親父の厳しい言葉に泣きながら、懸命に武術の訓練に励んでいた少年の中村義之・・同時に病院でリズやメアリーの手厚い看護を受けながら、沖田として、生まれ変わった経緯・・
 沖田は改めてコーヒーを飲み、ドクターメアリーへ電話した。メアリーが70歳の身体を30代に取り換えた意図が、いまいちわからないことに不信を感じていたのだが、メアリーは中村義之の記憶がないのは、過去を封じ込めているからだと、中村義之のあらゆる情報を話してくれた。
 メアリーは脳科学の研究者で、心理・肉体両面から脳の研究をしていた。そのことを明らかにしたうえで、米国務省の補佐官であり、スパイ養成を担当していたアレクサンドラ静子のただ一人の息子である中村義之の脳に興味を持ったと告白していた。
 アレクサンドラ静子は、元々は日本人であったのだが、幼い時に北朝鮮へ拉致されスパイ教育を受け、再び日本へ戻された女性であった。北朝鮮の誤算は、静子のスパイ活動の技術を高く評価し、頼っていた。情報の正確さ、大胆な決断と分析力。スパイとして産まれたかのような天賦の才能・・
 静子はしかし、早くからアメリカへの亡命を計画していた。秘かに自由の国アメリカへの保護を求めていたのだ。それを隠すための積極的なスパイ活動・・見せかけの忠誠心・・北朝鮮は静子のもたらす情報に頼り、アジア地区の責任者の地位を与えるほどに信頼していた。
 それだけに、静子の裏切りを知った時の怒りは大きかった。何としても静子を殺害せよとの命令が出され、専門のチームが組まれたほどだ。
 が、気づいた時には静子は米国務省の保護下にあり、手を出せない場所にいた。静子はアメリカの保護を求めるだけでなく、たぐいまれな分析力で、アメリカでも有能さを認められ、大統領補佐官としても活躍していたのだ。
 脳科学者のメアリーは、アメリカの静子を支援するチームの一員として静子の活動を支援しながら静子の脳を研究分析するようになっていったという。
 その過程で中村義之もまた、母の才能を受け継いでいることを知って、義之の保護と研究を進めていたという。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 小説の展開をどこかで間違えました(汗)続きを書くのが難しい(笑)なんとか1話を書き継いだのですが・・
 それはともかく、今日はほとんどめまいも消え、車の運転も平気になりました。宮カメへ行ってプリントを頼んだり、そのまま青井岳まで車を飛ばして紅葉の色づきの下見をしたりと、忙しいフリをして見ました(笑)
 青井岳は一部色づきだしたモミジが見受けられましたがまだまだです。17日当りかな?クウネルと同じく、紅葉の様子見に来ていたカメラマンさんも3名ほどいました。羨ましいことに、ちゃんと美人さんを連れていて、あまり話しが出来ずでしたが、情報交換しました(笑)今朝は早朝散歩と撮影をしましたが、今日も雲が無くイマイチ。これからパソコンに取り込むので、アップは明日になります。今日の写真は、昨日の朝撮った写真です。

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