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2019年11月04日20:34

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小説 秋物語り 32

小説 秋物語り 32
「あの事件の捜査もおかしかったです。すぐにマスコミが大騒ぎし、郡元襲撃事件関連を疑ったのですが、内閣調査室が捜査の主導権を奪い、仕事が嫌になって配達員が蒸発したことがわかったので事件性無しという嘘みたいな幕切れになりましたからね。大量の血の痕はどう説明するのか?銃痕があちこちにちらばっていたことは、銃声を聞いた者がいないで片付けられたし・・政治的判断と、言われると、無理に捜査打も出来ないし・・」
 美紀の父親が悔しそうに言う。沖田は沙耶の眼を見ながら聞いた。
「で、あなたはどうして辞めたの?なぜ都城に残っているの?」
「わたしは、お爺ちゃんと暮していたのよ。お爺ちゃんが仕事を投げ出して逃げ出す人で無いことはわかっていたし、最初の襲撃と関連していることは明らかだと思ったもの・・警察が捜査しないなら独りででも調べたかったの。わたしの特命からして、政治が絡んでいることは承知していたけど、そんなの絶対おかしいでしょう?」
 沖田の問いに沙耶が応える。中村義之が勤めていた販売所の所長を訪ねると、販売員がいなくなって困っていた所長を何度も事情聴取で呼び、中村義之が金に困っていたことや、配達がいい加減で何度も叱っただろうと責められ、それを認めないと仕事ができない状態に追い込まれ、やむなく警察の書いた調書にサインせざるをえなかったことが解り、内調に抗議したのだけど、まったく取り上げてもらえなかった。逆に一緒に暮らしてて、何発やったなどと、ゲスな勘繰りを言い出す始末で、指示に従わないなら警察やめろと言われて、ブチギレて辞表を叩きつけたという。
 沙耶の父親も警察幹部で、沙耶の抗議を拒否し、余計なことをすると親子の縁を切ると言われたのを幸い、沙耶は都城に残り、独りでコツコツと捜査をしていたらしい。とりあえずの生活のために、居酒屋やコンビニで生活費を稼ぎ、今年の春、ケーブルテレビに就職したとの事だった。
「それで、捜査は進んだの?」
「難しいわね。捜査権は無いし、所轄に知りあいもいないので、調べようが無いのよ。バッジの力を思い知ったわ」
「不思議な縁で、父と知り合ったから、今日から少しは調べられますね」
 美紀が沙耶を慰めた。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 めまいはだいぶ軽くなりましたが、まだ歩くと少しふらつきます。今日はおとなしく家出寝てました。夕方、夕焼けがきれいに空を染めていましたが散歩へ行く元気はでず、なんとか1話分の小説を書いて・・
 多分明日の葉散歩する元気が出るでしょう手(チョキ)写真は先月末に撮った関之尾甌穴dでのもの。
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