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2019年10月11日19:26

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小説 秋物語り 14

小説 秋物語り 14
 ドクター・メアリーは応えた。
「残念ながら,まだ大きな成果は上がっていないわ。でも、戦争の形が変わって来たからね。今は、ハッカー攻撃や経済闘争なの。ココのトリッキーな思考法に中国は戸惑っている。ココのママがソビエトとの冷戦を勝ち抜いたように、ココの脳は、わたしたちを中国に勝たせてくれると信じているわ」
「中国?相手は北朝鮮では無かったの?」
 沖田は言いかけて止めた。それはじゅうぶんに推測された。北朝鮮の陰に中国がいるはずたし、メアリーは俺を襲ったのが北朝鮮の工作員だと言っているが、ひょっとしたらそれは嘘で、事実はアメリカが俺を確保するために仕掛けた陰謀かもしれないと疑っていた。
 そうでなければ、70歳の中村義之であったと言う俺を20代の男に移植し、ある程度の自由を与えながら監視を続ける意味が無い。直感がそう感じていた。
 今のところ俺は、本当の自分を知らない。メアリーが言う過去を信じるしか、記憶を取り戻す術が無いのだ。それに、沖田信之として、好きなコーヒーを研究しながら接客を楽しむのも悪くないと思っていた。いろんな客が来る。いろんなことを教えてくれる。美紀とも親しくなった・・俺は中村義之では無く沖田信之として、新たな人生を歩んでいるのだ。
 メアリーとの電話を終えた時、昼休みが終る時間なのだろう。美紀が焙煎室に近付いて来た。中と外では会話ができないないことを知っている美紀はジェスチャーでまた夜にと告げ、手を振って微笑む。そんな仕草をかわいいと感じ幸せに感じる今の生活も捨てがたい・・
 カウンターに戻ると、客が入れ替わっていた。美紀や保険のおばちゃんなどが帰るのを待っていたかのように、最近常連になった増山京子と、その友人が来ていた。
「おや、増山さん・・今日は一人で無いんですね」
「ふふふ、売り上げ貢献もしないとね」
「それはありがたい。今月は支払いが多くて大変なんですよ」
「嘘ばっかり。マスターは儲かって儲かって笑いが止まらないって顔してるわよ」
 京子は日本人形的な顔立ちの美人だ。40代だと思うが年齢は教えてくれない。小さな輸入雑貨店の社長夫人らしい。夫婦仲は良くないらしく、一人息子が大学を卒業したら離婚すると宣言している。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 クウネルの身体は類人猿に退化したようです。今日、バイクのガソリン補充へ行った時に気付きました。真っ直ぐ立っていないのです。膝が曲がって腰を落とすことでバランスをとっています。整骨院の先生が導入した新しい治療器具で、だいぶ足の痛みや痺れが減っていたのですが、先生は先週から新しい器具を使わず、これまでどうりの電気と指圧しかしなくなっていました。治療方針を変えたのかと思っていたのですが、昨日、聞いて見ると治療費が高くなったので遠慮していたようです。450円が950円と500円のアップ。僕には効果があるようなので新しい治療器具を使って欲しいとお願いしました。連休前なので、明日の午前中も治療に行くことになりました。
 あ、そうそう、写真のファイルが消えたのは、寝とぼけてどっかのキーを触ったようで、どこかへ移動したようです。まだカメラのメモリーカードの画像を削除して無かったので、新たに保存ファイルを作り、再度取り込もうとしましたが「すでに取り込まれています」と表示され、取り込んでくれません。いろいろやっているうちになんとか新しいフォルダ―へ取り込んでくれました。おかげで、書きだめの小説もストックが無くなり、またヤバくなりました(汗)

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