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2019年10月10日20:02

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小説 秋物語り 13

小説 秋物語り 13
 美紀の帰りが遅いことを心配して、門の前で待っていた美紀の父親は、送って来た相手が沖田であったことにほっとしたようだ。翌日の昼休みに顔を出した美紀に、沖田は言った。
「美紀さんも美紀さんのお父さんも、俺のことを男と見ていないんだね。ショックだ・・」
「アハハ!ごめん・・だってマスターはマスターだもん・・」
「いいけどさ、一応俺も男だってこと忘れないでよ」
「マスターと美紀さん、なんだか恋人みたいな雰囲気になってきたね」
 横で聞いていた生命保険のおばちゃんが口を出す。世話好きで、独身者を見合いさせ、結婚させることを生きがいにしているおばちゃんだ。結婚させると、保険の見直しがあり、自分の成績につながる恩恵もあるらしい。
 そんなこともあって、沖田と美紀は付き合っていると噂されるようになったが、沖田は否定しなかった。いや、否定出来なかった。変に言い訳をすると、美紀を傷つけそうな気がしたからだ。「マスターはマスター」と言う言葉に美紀の心は現れている。それ以上もそれ以下も美紀は望んでいないのだろう。
「ココ、メアリーから電話」
 ジョアンナがカウンターに入り、コーヒーの抽出を変わった。美紀やカウンターの客に一礼し、沖田は焙煎室に入った。焙煎室の隅にパソコンがあり、画面でドクター・メアリーが微笑んでいた。インターネットを介してメアリーは時々問診をしてくる。脈拍や血圧などはリズが定期的に計り、運動機能の回復度はナンシー、行動や思考についてはジョアンナが、定期的にレポートを送っている。それを踏まえて、ドクター・メアリーが問診をし、沖田の質問に答えたりするテレビ電話。
 焙煎室は店内から見えるようにガラス張りだが、防音装置をしてある。パソコンは特別に組まれたセキュリティ対策が施されているらしい。ドクター・メアリーと沖田の会話が外に漏れることは無い。客は気づかないが、ドアノブは沖田の指紋認証で開閉するので、リズやジョアンナたちですら、沖田に無断では入れない。
 メアリーの問診が終った時、沖田はメアリーに訊ねた。
「俺のクローン軍人はどうなったの?すでに戦地へ送られているの?」
 ずっと気になっていた。実験が成功しているなら俺はもう不要になっているはずである。それとも、俺の身体を若い別な人間に移植したので、脳のコピーとは別な実験材料として、俺は必要とされているのかも知れない。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今朝の早朝散歩は、時間が遅れました。配達中から情緒不安定でしたがなぜなのでしょうね。台風は九州を逸れて関東方面へ進んでいるようですが、身体は気圧の変動を感じているのかな?
 写真は一応撮ったのですよ。夕方も散歩撮影するつもりだったので、PCに取り込んだのはさっきですが・・
 でもこの時、何をしたのでしょうね・・取り込んでアップ用に画像を縮小したのに、画像が出て来ません。それどころか今年の9月から日付順に保存していたフォルダ−も行方不明・・以前に撮ったフォルダ―に入っていない写真はアップ出来たのですが・・困ったものです。とりあえず寝てみますか?(笑)
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