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2019年10月09日20:16

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小説 秋物語り 12

小説 秋物語り 12
「5年ほど前、都城で新聞配達員が消えた事件があったらしいけど、知らない?」
「あ、知ってる。大きなニュースだったもの・・拳銃で撃たれ、連れ去られたらしいと、うちの病院にまで警官が来たわよ。父の話しでは、県警本部からも応援が来て、大捜索したらしけど救急車らしい車の目撃情報があっただけで、結局何もわからないまま捜査が打ち切られたらしいわよ。普通、継続捜査するらしいのだけど、早い時期に捜査打ち切りされた理由がわからないって、父も驚いてた」
「あ、美紀さんのお父さん、警察官だったね。この話しはお父さんにも内緒ね。俺がその消えた配達員ってわかったら、いろいろ面倒になるらしいから・・」
「でも・・生きていたの?父の話しでは、現場にはたくさんの銃痕が見つかったらしく、配達員はおそらく死んでいるだろうって言っていたけど・・」
「そこらの記憶が無いんだ。目が覚めたら病院らしき所にいて、金髪の女性ドクターから宮日新聞を見せられて、その事件を知った。でも、まったく覚えていない。自分の名前も住んでいた国すらね。不思議なことに俺が治療を受けていたのはアメリカだった。俺だと言われる配達員は日本人で、70歳の老人・・だけど俺の身体は老人とは言えないし、わけがわからなかった・・」
 沖田はかいつまんで自分のことを話した。自分の過去を知らないまま生きている恐怖。金も記憶もない俺に、なぜかドクターメアリーは、看護婦のリズなどを付けて世界のコーヒー飲み歩きをさせたりした後に、都城でコーヒー店を開業させた。記憶をなくしたのでは無く、記憶を封じ込めているのだと言う。閉ざした心を開放するためにも、中村義之がずっと職業にしていたコーヒー店を経営することで、少しづつ心を開いて行けるかも知れないとの事だった。
「それでわかったわ。男性恐怖症のわたしなのに、なぜかマスターには親近感を感じたのは、心の傷を持っている同類だと感じたからなんだわ」
 美紀は納得し、さらに自分の過去を話す。痴漢にとどまらず、その後も親しくなった男に不意に押し倒されたりして、男性不信と恐怖心を持っていること・・それを知っているから、両親も結婚しろとは言わないが、一人娘の将来を案じて嘆いていることを心苦しく感じていること・・気がついたら深夜2時になっていた。
 部屋に戻らぬ沖田を心配したのだろう、顔を出したジョアンナに頼んで、沖田は美紀を送ることにした。行きは沖田が美紀の車を運転し、帰りは付いて来たジョアンナの運転で店へ戻る。その後ろにもう1台車が付いていることを美紀は知らない。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 遅ればせながらRAW現像を学ぼうと最近考えていたのですが、現像ソフトが無く諦めかけていたのですが、閃きました。宮カメの店長のつてで、メーカーからソフトだけ取り寄せてもらうことはできないかと・・
 で、写真クラブの例会の後、宮カメへ。幸い店長がいて、メーカーに問い合わせたら可能だと言うこと。ソフトが届いたら始めます。
 で、今日は三股町の上米公園で夕焼けを狙って見ました。程よく雲があって、昨日と同じく夕焼けが出ると予測したのですが、神様はほんと意地悪です。陽が沈む頃にはあれだけあった雲がどこかへ消えて(笑)前景に考えていた滑り台で遊んでいた子供もが消えて・・一応撮りましたの写真にしかなりませんでした。(悲し)
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