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2019年09月15日20:34

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小説 夏物語 48

小説 夏物語 48
 配達を終え、帰宅するとパトカーが停まっていて、義之を認めると、すぐに沙耶が降りて来た。
「心配かけないでよ。病院からいなくなったって電話があって、誘拐でもされたかと思ったわよ」
「誘拐はないやろ?」
「襲撃の全容は掴めていないのよ。それに、襲撃に加わらなかったけど、指揮してた者がいるかも知れないし。とにかくすぐ病院へ戻るわよ」
 シャワーを浴びたかったが許される気配は無かった。連行される形でパトカーに乗せられ、病院に連れ戻された。パトカーを私用に使っていいのか?と、ツッコミを許される雰囲気でもない。
 病院ではすぐに傷口の確認がされ、改めて手当をされる。それが済むと、いかにも官僚らしい中年男が面会だと訪ねて来た。すぐに沙耶が大野室長だと紹介し、揃って病室へ戻る。
 大野は、警察公安から抜擢されて自衛隊のレンジャー訓練やアメリカFBIなどで研修を受けた後、大臣や総理のSPとして外遊に随行したと言う。内閣調査室長になってからは、警察にテロ対策部隊を作るべきなどの進言して、遅れていた日本のテロ対策の指揮を執る一方、国際情報の収集を執ってきたと言う。
 どことなく軍人の雰囲気を持つ大野の風貌、それでいてどことなく穏やかな雰囲気にストイックな気質を感じさせ、今度の襲撃に素早く対応出来たのは大野だったからかも知れないと義之は思った。
「まず残念な報告があります」
 大野は真っ直ぐに義之の目を見て口を開いた。
「半年ほど前にアメリカ大統領から依頼を受けた、あなたの実母との面会、かなわなくなりました。ついさっき補佐官から電話を貰ったのですが、お母様は今朝4時20分。お亡くなりになったそうです」
 沙耶が驚いて顔を上げる。大野は義之から眼をそらさず、淡々と言葉を続ける。
「ひとめ会いたかった・・詫びたかった・・というのが最後の言葉で、眠るように旅立たれたそうです。葬儀は明後日午後、ニューヨークで行われるそうですが、参列なさいますか?参列なさるなら手配しますが・・」
「無理です。わたしは行きません。実母だと認識していませんし、他人の葬儀に出るほど暇では無いのです。新聞配達をやっていますので、仕事を休むこともできないのです」
「お母様があなたと離れねばならなかった理由・・実は今回の事件と大きく関係しているようです」
 そのことは義之も知りたいと思った。母のことより、なぜ自分が襲われたかは知る必要がある。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今日は昼前に都城市美展を観に行き、午後から市美展の運営委員で、二科の会員でもある松下さんの写真講座に参加しました。都城市美展が誇る所は以前から底辺を広げることとレベルアップのために市がある程度の力を入れていることです。以前は絵画や書、写真など、それぞれ部門ごとにプロの専門家を呼び、有名どころが写真家が審査し、「審査員を囲む会」などを開いて、直接プロと話す機会を作ってていました。
 平面のくくりで審査するようになり、審査員も大学の先生や博物館の館長などになり、審査員を囲む会は無くなりましたが、各部門の運営委員が出品アドバイスを行なったり、底辺を広げる活動とレベルをアップさせようとする滑動は引き継がれているようです。
 でも、模索中なのか、宣伝も弱く、参加者は少ない(笑)もったいないことです。今日は僕を含め男性ばかり5名の参加者でした。松下さんは「初心者が集まると思ったらベテランばかり」と笑いながらも、自分の作品を例に出しながら、プリント時に細かい指示を出して自分のイメージどうりに仕上げることができると、プリントの仕上げ方について体験を話してくれました。
 で、講習が終ってから僕は日南市の坂本棚田までドライブ。彼岸版を下見に行きました坂本棚田は空に彼岸花を浮かすこともできるし昨年行った時にはコスモスも咲いていたので、撮りがいがある場所と思ったのですが、予想外のピーカン。雲一つなく太陽ギラギラ。
 おまけに棚田は荒れ放題で石垣は草ぼうぼう(笑)猪除けの電線が張り巡らされて咲き始めの彼岸花の前に電線(笑)稲穂はまだ色づいておらず赤とんぼや蝶も飛んでおらず・・1週間ほど後が良いかな?花が少なく咲いても写真的にはぱっとしたものは撮れそうにありません。花が多い田んぼがあったのですが、手入れされておらず草ぼうぼうで行く道無し。下見だけで終わりかな?(笑)



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