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2019年05月19日20:35

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小説 サングラス (姉妹)19

小説 サングラス (姉妹)19
 酒匂が電話してくることを、尚美は知っていた。彼のやきもちで、携帯の番号を教えることは出来なかったが、姉の雇い主だから自宅の番号を当然知っている。固定電話にかけて来る。そう思って姉の部屋にいた。
 美穂にまず電話して・・と思っていた酒匂は慌てた。すぐに店へ来ると言い出したことにも驚いた。酒匂は自分が撮るのではなく、カメラマンを紹介したいと言ったのだが、尚美の強引さに負けた。
「紹介してくれるカメラマンさんのことも詳しく聞きたい」
 尚美の押しの強さに、店で待っている応えざるを得なかった。幸い、佐々木がモデルを連れて店へ顔を出した時、一緒に撮った写真もある。その時の佐々木と酒匂の写真を見せれば、尚美はきっと佐々木に撮って欲しいと言うに違いなかった。
 写真を見れば、腕前の違いは明らかだ。営業中だったので、いつ客が来るかとびくつきながら撮った酒匂の写真は、一応撮りましたと言う平凡な写真だが、佐々木の写真は作品と呼べる風格がある。後日、礼状と一緒に佐々木はその時に撮った何枚かの写真を送って来ていた。自分の個性を確立した作家的な作風だった。
 尚美の目的は、写真の出来栄えより酒匂に撮らせることにあることは、酒匂も解っていたが、まさか、パジャマに上着を羽織っただけの挑発的な服装で現れることは予想していなかった。 
「風呂あがりだったからすっぴんで来ちゃった・・」
 ペロリと舌を出しながら店へ来た尚美の態度が、男に対する警戒心が無いのか、姉がバイトする店のマスターだから安心してのことなのか、酒匂に判断が付かない。
 小杉に口説かれ、簡単にヌードになる女性をたくさん見てきた酒匂は、今時の若い女性は皆こうだろうと妙な納得をした。コーヒー屋のマスターをしていると、毎日少なくない女性と話す。平気で自分は愛人をしていると言う女性もいたし、婚約が決まってから遊びまくる女性もいた。
 酒匂は先輩から、恋愛もどきの付き合いはしても、実際に女性と付き合ってはならないと教わった。気を持たせながら客を繋ぎ、何度も店へ通わせて金を使わせろと。
 尚美のようなタイプは挑発を嫌がってはならないことを学んでいる。しかも、挑発に乗ったのではなく、女性をその気にさせた自分が悪者になる必要がある。
 酒匂は慎重に尚美を誘導し、言葉やボデイタッチをして、尚美の欲求を満たしながらかわした。美穂の妹であるし、彼氏は嫉妬心が強そうだった。対処を間違えると厄介になると直感していた。(続く)

獅子座
クウネルのつぶやき獅子座
 雨が続いていますね。なんとなくぼんやりとし、集中力がありません。今朝の配達は、ぼんやりして明けの点滅信号を一旦停止せずに進行。そこで左折せねばならない場所だったので慌てて左折したらパトカーが追いかけてきて違反切符を切られました泣き顔おまけに配り漏れがあり、配達終了後に再度点検。ついていないと言うか雨はやっぱり嫌いです(笑)
 マイミク山さんの会社でバラが満開だと言う情報で、撮影に出たのですが、覚えていた路地を間違え、グルグルと周辺を廻りました(笑)以前に通っていた整骨院の近くで、何度も行ったことがあるのに、整骨院への入り口を間違えたようです。
 雨のためちゃちゃっと撮ったのですが、オレンジのバラが見事でした。
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