妄想小説 風舞 45
「わたしはね、マスター、男女同権って言うならセックスだって一緒だと思うの。ただ待ってるだけでは駄目。女だって抱かれるばかりでなく、男を抱いてもいいでしょう?」
「今の時代、そうなってるんじゃない?草食系男子と肉食女子って言うじゃん」
俺の答えが尚子を満足させている。その風潮を自分が作ったことを自慢したがっている。
「あら不本意のようね?」
尚子が俺の表情に気づいたようだ。男女同権の意味がちょっと番うのではと言う言う俺の考えが表情に出たようだ。
社会制度上、すべての権利は同等だ。誰もが同じ権利を持っているとは思う。だが、肉体的・家庭的・体力的なハンディがやむなく生まれる場合がある。同じ仕事をしても消化できる量に差が出ることがある。同権ではあるが、格差は生まれる。その格差が不平等を生み、時に権利を主張できなくなるほどの弱者を生み出す。そう言う社会の仕組みをこそ考えねばならないのであって、性的嗜好は個々人の好みであり、権利とか差別と無関係では無いのか?
「心の声が聞こえた?」
「うん。俺は肉食だぞって、マスター言いたそう」
「そうだよ。昔から野菜嫌いなんだ。焼肉定食になぜ野菜が付いてるんだといつも不満」
「あはは、そう言う意味の肉食じゃないでしょ」
「ごめん、冗談。尚ちゃんの言いたいことも解るよ。女性だって男と同じように性の的欲望はあるのだから、女性から求めたっていい。悪いことじゃない。だけどね、男の欲望と女性の欲望は質が違うじゃない」
「質って?」
「男は無責任じゃない、欲望を果たせば終わり、子供のおもちゃと一緒で、飽きたら次の新しい相手を探す。女性はそうはいかないぞ。ひょっとしたら子供ができるかも知れないと言う危険を伴う」
「ばかねぇ。マスター何も知らない。子供を産まずに楽しむ方法はいくらでもあるわよ」
「そりゃあるだろうよ。でもセックスは快楽だけのもの?命を生み出すと言う崇高な行為だと思うよ」
「命ねぇ・・大昔ならともかく、今は人口増加を制限しないといけない時代よ。役に立たない命を産んだって弊害でしかないわ。快楽のセックスと子供を産むセックスは分けて考えるべきよ。優秀な遺伝子を組み合わせて、最高の人類を必用なだけ作ればいいと思わない?」
尚子の父親が危険だと言った理由が解った。尚子は、狂気じみた世界感を持っている。俺は改めて尚子の顔をまじまじと見た。(続く)
クウネル日記
今朝も寒いですね。車に氷は張っていないけど、底冷えがします。で、朝焼け撮影に出ようという気も起きず(笑)
そうそう、昨日の昼、早水公園へ行きました。何か撮らねばアップする写真が無い(笑)ロウバイが咲きだしていました。ちょっとくたびれた山茶花もありました。寒いせいか、誰もいない公園でした(笑)
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