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2018年01月22日10:55

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妄想小説 風舞 40

           妄想小説 風舞 40

 尚子はしかし、怖がるよりも好奇心の方が強かった。トイレに行くふりして、仲間に電話している。パソコンに秀でた仲間のようだ。都井岬周辺の警察無線や自衛隊の無線傍受を命じている。車の横でたばこを吸いながら、俺の心に入って来る尚子の指示がなぜか聞こえる。
「ありえない・・」
 俺は我が耳を疑った。常識で考えると聞こえるはずが無い。展望所にあるトイレと車は10メートルは離れている。トイレはコンクリート。風に舞う声が届くことなど不可能だ。が、確かに聞こえる。声では無く、幼子と会話する時のテレパシーと同じようだ。
 考えて見ると、尚子の父親と赤い部屋へ入ってからおかしなことが続いている。一晩で身体が若さを取り戻したし、傷つき苦しんでいる馬を見て即座に銃で撃たれたと判断したのも変だ。俺はなぜすぐに尚子の父に電話したのだろう?銃創など見たこともないし、普通なら管理事務所へ知らせるか、かかわりが面倒だからと見ぬふりして立ち去るはずだ。
 尚子の父親が姫と呼んだ幼子は、俺を訓練すると言って俺の部屋へ付いて来たのだが、特に何をせよとも言わず、ただ横に寝ていただけだ。幼子が横に寝たからと言って、女の身体を感じたわけでは無いのだが、なぜか京子ママの夢を見、夢の中で犯しそうになった・・あれが訓練とは思えない。
 そうは言っても、一夜にして俺の身体に大きな異変があったのは間違いない。ひょっとしたら、元々備わっていた能力を開花させたのかも知れない・・心の一方で尚子の会話を盗み聴き、一方で自問自答しているうちに俺は急に笑い出したくなった。
 エッチな夢を見て、能力を開花したのだとしたら、ほんとにエッチしたときどうなるのだろう?そんな馬鹿なことを思いついたのだ。確かに男の中の男の部分は猛り立ち、荒々しく突進して行くだろう。制御不能のミサイルは深く深く突き刺さり、弾頭を破裂させると、さらに核化したミサイルとなって命の根源までたどり着く。
 男と女、オスとメスが生きて死ぬことは、つまるところエッチをし、新たな命を創ることにあると言うのに、俺は何を恐れてエッチを避けて来たのだろ?男の性が放出にあり、女の性は受胎にあるのだから、食う・寝る=エッチするとなるのだが、俺はそんなことも考えず、趣味の写真をアップしているブログのハンドルネームを「クウネル」としている。自分はスケベだと世界に発信している・・そう気づいてしまった・・これはもう笑うしかない。
「何笑ってるの?」
 何食わぬ顔で、電話を終えた尚子が帰って来た。
「どうする?」
 何食わぬ顔で俺は応えた。多分尚子は帰るとも、別な場所を目指してドライブするとも言わないだろう。俺はそう思った。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今朝は小雨でちょっと寒いですが、昨日の昼間は暖かかったですね。昨年末の三股町キャンドルナイトで知り合った都城のカメラマンさんに誘われ、都城の写真クラブに今月から参加しました。2月3日から宮崎カメラ広口店で、会員の展示会をするのでW4のプリントを提出せよとのことで、昼過ぎに宮崎カメラへ。そのついでに久々に写真を撮ろうと関之尾へ。
 最近の撮影は決まった場所で、似たようなものばかり撮っています。しかも粘っこくなりました。一度決めた場所から移動せず、少し構図を変えたり露出を換えたりしながら何枚も撮ります。良いことか悪いことか・・あ、まだ写真のチェックをしていません。小説も書いてなかったしで(笑)適当に3枚だけ選びました。
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