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2018年01月11日11:00

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妄想小説 風舞 30

          妄想小説 風舞 30

「確かに時代が違うよね。俺が若い時って、まだパソコンが普及し始めた頃でさ。携帯電話も無かった」
「そう言えば、マスターはパソコン使いだしたの早かったわね。お店のホームページ持ってたじゃない・・」
 話題を転じると尚子が乗って来た。
「俺のホームページって言ったって・・お客さんでパソコンに詳しい人がいたからね。ホームページが簡単に作れるソフトもあったし、必要な事だけ覚えてどうにかって感じだったよ」
「ふふふ、お店のホームページって言うより、不倫願望のおじさんページだったわ・・」
「アハハ・・そうだった。遊びで不倫しようよって呼びかけたら意外と反響があってさ・・」
「でも掲示板の書き込みは男ばっかり・・」
「男の願望だからね。実際には出来ないってわかってるから皆願望が強かった・・」
「でも白猫さんだったっけ?白犬さんだったっけ?北海道から訪ねて来た奥様・・あの人不倫OKだったのよ。マスターに頼まれてわたしがホテルまで送ったじゃない・・その時にそう言ってた」
「嘘・・そんな風には見えなかったぜ。上品そうな奥さんだったじゃない。それでどうしたの?」
「島袋さんに電話して、お酒を一緒に飲んでって頼んだわよ。後は知らない」
「あれ?島袋さん嫌って無かった?良く電話番号知ってたね」
「しつこいから嫌ってたの・・」
 島袋は再会した時、俺に気づかなかった。俺の名字が変わっていたせいかも知れないし、子供の時のことなど記憶に無かったのだろう。俺は妹のようにも初恋の相手とも思っていたのだが、島袋にとっては、忘れたい記憶だったと思う。女の子として育てられていたのに、いきなり男だと告げられ、誰一人知り合いのいないと土地に住まわせられたのだ。逆に言うと、だからこそ俺の印象に残り、あれが初恋だったと、俺は錯覚したのかも知れない。
「だって、島袋さん土下座をしたのよ。10万円払うから一発やらせろって・・」
 尚子は言葉を続ける。あの頃の島袋なら確かに言いそうだった。商才に長けていたのかいくつかの店や会社を経営してて、金を持っていたし圧倒する欲望でギラギラしていた。対して尚子は江戸時代なら大名の姫のような顔立ちに妖艶さを持っていた。近づきがたい魅力と、押し倒してでも犯したい魅力を同居させていたのだ。賢い女性で、男に甘えるのがうまく、触れれば落ちる熟柿のような脇の甘さを見せながら、肝心なところでするりと逃げる。ある意味、俺の店が繁盛したのは尚子が来ていたせいでもあるのだ。
「朴念仁のマスターとは大違い」
 そう言って俺の方を小突く尚子の胸が揺れた。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今朝も寒かったですね。でも日記にアップする写真が無いので早朝撮影頑張りました。高千穂の峰雪が積もっていましたが、肝心な朝焼けはパッとせず(笑)でも、撮影に出ると何かしら撮るもので、今朝は水溜まりに張った薄い氷を見つけて撮影。
 でも駄目ですね。イメージは浮かんでもそれを表現する力が無い。いたずらに枚数が増えるばかりです。いつも早撮りせずに、撮る前にもっと考えて、じっくり取ろうと思うのですが、いざファインダーを覗くと何も考えずただシャッターを押すだけ(笑)そして写真を選ぶ時にいつも後悔(笑)
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