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2018年01月10日08:33

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妄想小説 風舞 29

          妄想小説 風舞 29

「わたしたちにはもう止められないんです」
 赤い光に包まれた部屋で尚子の父親と姫と呼ばれた幼子が言った。二人の話しを信じるかどうかを俺は迷ったが、少なくとも俺が思い悩んでいたことへの疑問を解いたと言う意味で、信じたい気分になっていた。二人の依頼を実現できるかどうかはやってみないと解らない。尚子の眼が妖しく光りつつあることもまた二人の話しが事実であることを語っているのだろうと思える。
「現代でもそうだけど、時代を勝ち抜くってことは、どれだけたくさん情報を集め、どう活用するかではないかと俺は思う」
 妖しく光り出した瞳に迷いが生じたのが解った。尚子は赤い部屋で俺が何を聞いたのかを知らないのだ。朝早くに俺に電話し、ドライブに誘ったのも、それを探りたいからに違いない。
「人間と異星人の混血で黒人や白人が産まれたってのは冗談だけど、情報を集めたり広めたりするために特殊な能力を持った人間がいたことは間違いで無いと思うよ。ずば抜けて足が速いとか耳が良いとか・・そんな能力を持っている者がいることに気づき、じょうずに利用したのが日本では皇室であり、外国では王様だったと思う。宮守家は日本で、その役目を持っていたのではないだろうか?」
 尚子が退屈していた。そんな事は知っている。知っているが興味は無いと言う顔だ。退屈でも辛抱してもらうしかない。ずばり核心へ踏み込むことは出来ない。尚子の能力を俺はまだ知らない。うかつに尚子を刺激して距離を取られても困るのだ。
「尚ちゃんは時代劇の映画など見ないよね」
「水戸黄門とかの?見ないわよ。マスターとは時代が違うもの・・」
「そうだよね。俺も子供の時に見ただけで今は見ないんだけど・・忍びの者って言う忍術使いの集団が活動していたって話し・・あれは作り話しとは思えなくない?外国でもそうだけど、スパイってのはどの国にもいて、表舞台では活躍しないけど、裏で秘かに活動していたし、スパイの活躍次第で戦争に勝ったり負けたりしたと思う。日本では忍者、外国では魔術師とか魔法使いとか昔呼ばれていた集団が、現在でも残っていると思う。北朝鮮のスパイ活動などはニュースになったりしてるだろう?」
「政治に興味なんて無いもん・・」
 尚子が退屈したのかスマホをいじり出す。宮守家の長女としての自覚を持たせることから始めようとした俺の作戦は失敗した。まぁ、それもそうだ。自覚があるなら尚子は早々と俺の心い入り込んでいたはずだ。俺が幼子に連れて来られる前、まだマスターとしていた時に俺を従属させていたに違いない。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今朝は寒かったですね。日記用の写真が底をついてるので、朝焼けを撮ってなどと思っていたのですが、寒い上に雨がちらほら・・あきらめて一眠りしたのですが、すごくきれいな青空・・ひょっとしたら先日よ同じく高千穂の峰冠雪かもしれないですね泣き顔

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