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2018年01月08日09:44

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妄想小説 風舞 27

          妄想小説 風舞 27
「これで確信が持てたよ」
 俺の視線の動きで尚子も幼子が消えたことに気づいたようだが、尚子も気にせぬよう決めたようだ、チラリと後部座席を見ただけで先を促す。
「宮守家伝説ってのは、どうも皇室と関係がありそうだな」
「皇室?どうして?」
「免許証の菊の紋章見てよ。こんな免許証がある?聞いたことないよね。でも白バイ隊員は知っていた。水戸黄門の葵の紋章と同じだ。示されると誰もが平伏し言うとうりに従わねばならない・・」
「わかんないわ。免許更新、何度も行ったけど、そんな話し聞いたことが無い・・それに私の免許証には入っていないわよ」
 尚子がバッグから自分の免許証を取り出し俺の免許証と見比べる。
「高橋って名字の由来を知らない?高い梯子を上るって意味で、天皇へ料理を運ぶ役目の者たちに許された名字らしい。料理人たちは何だっけな別な名字がついていた。たまたまテレビで見たんだけど・・」
 俺は、名字が本来は身分を表すもので、一般大衆に許されてはいなかったと、テレビで知ったことを話した。国家は、権力と収奪のために造られた制度だ。名字は階級と身分を表すものであったことは世界共通のことでもあったと言う。
 時代が進み、そんな差別が許されなくなったことと、税収をさらに増やすなどの目的で各家に名前を付ける必要が生じた。まだ教育の行きとどかぬ時代、文字の読み書きができる役人や坊主が、各地へ派遣され、村の西側に住んでいるから西村、広い田んぼを持っているから広田などと命名したと言う。
「そうなの?・・」
「俺の故郷、奄美大島では本土の人間と区別するためにね、1字姓しか認められず、島とか山、中とか上とかって名字だったんだよ。同級生に弱って名字の女の子もいたよ。親父に聞いたのだけど、親父の代になって初めて2字姓が許され、希望する者は改性が認められたそうだ。その時に多くの島民が元々の島と言う名字に矢と言う字を付け矢島とか小島、三島などと名字を換えたそうだ。俺の親父は元々は耕と言う名字だったらしいけど、兄弟が話し合って島を付け耕島に改名することに決めたらしいんだが、長男が何を考えたのか、両親と自分の名字を重島として提出したらしくてね。戸籍には重島が本家の名字として登録され、俺の親父や叔父さんなどは名字は耕のままで、名前に島がプラスされたと言うんだ。だから俺は20代の半ばまで名字は耕だったよ。昔の知り合いは今でも俺を耕君と呼ぶ」
「へぇ・・」
 話しながら俺は、自分の名字のことを語る必要のないことに気づいた。問題は俺の免許証だ。知らぬ間になぜ菊の紋章が入ったのか?それを見た白バイ隊員がなぜ緊急活動中だと理解し、助力を申し出たのか?(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 雨になりました。昨日は三股町の河原で「どんど焼き」の夜祭があったはずなのですが、天気予報が雨だと知ったとたんに行く気が失せて(笑)おとなしく家でテレビ見てました。やらなければならないことたくさんあるのですが、今年もいい加減に過ごしそうです(笑)

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