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2018年01月04日06:56

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妄想小説 風舞 23

 妄想小説 風舞 23

 夢ほど腹立たしいものはない。いつも肝心なところで眼が覚めるのだ。寝る前にカメラ雑誌で見たヌード写真が、記憶の襞からヌードをキーワードに検索し、真由美を夢に出したのだ。科学的に分析するとそう言うことになるのだろう。しかし、京子の夢に続いた真由美の夢・・もっと別な、建設的な記憶の方が多かったはずなのに、なぜエッチな夢?・・俺はそんなに欲求不満?いや、子孫を残さねばと言う生存保存の本能が身体の奥底で動いたとすれば、俺の本能は命の消失を予感し、エッチな夢を見ることで生殖細胞の活性化を図っているのかも知れない。細胞が焦るほどに、危険が迫っていると言うことか?
 俺はそっと布団を抜け出した。午前2時。新聞配達のクビを宣告されたが、一応挨拶の顔は出すつもりだ。すやすやと眠っている幼子は目覚める様子が無い。黙って出て行っても大丈夫だろうと思った。見た目の幼さから、ほおっておけない気になるのだが、自由に姿を消したり現わしたりするのだから、実年齢は一人で行動したり判断できる年齢にあるはずだ。尚子と俺がファミレスで会っていた時と同じように、必要なら先回りして待っている能力を持っているはずだ。
「お、顔出したの?」
 所長は思ったより機嫌が良かった。代りの配達要因はすぐに見つかったと言う。前に担当していた若者に連絡したら渡りに船と引き受けてくれたそうだ。ついさっき、配達に出たばかりだと言う。結局俺は顔を出しただけで帰宅した。
 部屋へ戻っても、すぐに寝れるはずが無い。いや、正直に言うと寝るのが怖かった。寝ると、また夢を見そうだ。3度目の正直。今度は島袋の夢を見そうな気がする。身体も心も男である島袋に、俺は果てしなき性の欲望を抑えられず、がむしゃらに抑え込んで放出する夢を見るかも知れない。そんな気がした。
 島袋はおさなおさななじみであった。女の子を欲しかった島袋の両親は、男の子として産まれた第一子を千晶と名付け、女の子として育てた。顔立ちが整って人形みたいだったので、産まれた時、誰もが疑わずに女の子と思ったらしい。可愛らしいチンチンは愛嬌だったが、女の子の服装が良く似合い、名前を男女どちらにも使える千晶と付け、いつの間にか両親も本気で女の子と思い込んだほどだ。周囲は当然女の子が産まれたと信じた。
 だがさすがに学校へ入学することになって隠すことが出来なくなった。戸籍上も生物学上も男子なのだ。両親は困った。誰もが女の子と思い込んでいる・・男に戻すには面倒である。で、環境ごと換えることにした。故郷を捨て、親戚を頼って宮崎へ移住したのだ。俺はその時中学2年。少し異性を意識しだしていた。千晶は家が隣りだったこともあって、ヨチヨチ歩きの時から俺が子守をした。互いに一人っ子だったので、本当の兄妹みたいであり、大切な異性であった。
 その千晶が実は男・・それが解ったと同時に一家で故郷を去り、俺は千晶に恋していたと気づいた。千晶が男であることは薄々気づいていたと思う。子守をしていたのだ。千晶の性器が俺と同じものであることを見ていた。おふくろに言うと、大人になると変わると言われた。女性の性器など見たことが無い。そんなものかと信じた俺。
 さすがに社会へ出ると、おふくろにからかわれたことに気づいたが、俺の性的興味はその時から歪んだのかも知れない。正常な男性として女性に関心を持ちながら、裸にしたら男であって欲しい願望が強まったのだ。自分が好きなのは女装した男性かも知れない。そう思うようになっていった。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今日から仕事始めの職場が多いようですね。正月気分を早く切り替えないといけませんね。停止していた新聞も、相次いで復活しています。今年も頑張りましょう指でOK
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