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2016年05月25日05:33

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小説・限無幻夢 (時間旅行 15)

小説・限無幻夢 (時間旅行 15)
 走馬灯のように記憶が駆け抜ける時、人は死の縁を歩いていると言う。ひょっとしたら俺は死ぬのか?突飛な思いが走った。溺れて死にかけたことがある。鹿児島の店で働いていた頃の記憶だ。あの時は、一度にいろんなことを思い出した。忘れていた祖母のこと、聞いた話でしかない祖父のこと・・そんな俺の心を読んだ理沙が笑う。
「ふふ、お爺ちゃんってマイナス思考の塊ね。悪い方に悪い方に考える・・脳科学的にはネガティブな方が記憶力を高めると言うデーターがあるらしいけど程度によりけりだわよ。育った環境が特殊だったせいもあるけど、もっといい加減に生きていいのよ」
「そうしたいさ。だけど、そうさせなかったのは誰だよ」
「あははごめん・・それにしてもお爺ちゃんすごいわ。時間旅行はね。3代前までだってのが定説なの。10年20年と過去を遡って、幼児からその両親へワープできる者だって少ないのよ。わたしだって、お爺ちゃんの血をひいているおかげだけでなく、そうとう努力してここまで来れるようになったのよ」
「わたしはおいてきぼりになりそうね」
 メグが弱々しい声を上げる。すっかり取り残された気分になっている。
「そうじゃないと思うよ。多分育ちが良かったんだよ。お母さんが椎葉村の出身だって言ったじゃない。椎葉も平家の末裔が多いところだろう?いつもメグを見て思ってたけど、メグって世が世なら絶対お姫様だと思う。そう言う顔をしてるよ」
 俺は心底そう思っていた。メグには持って産まれた品格がある。顔つきが美しいだけでは無い、天然ボケも育ちで身に付いたキャラだ。現代だから普通に学校へ行き、現代娘として会社にも勤めているのだが、武家社会なら城主の娘として、平家時代なら一族の姫として大事に育てられたに違いない。そんな確信をもっていた。
「それは間違いないわ。わたし達の調査で、タイムトラベルが出来る血を引く者として最初に名前が挙がったのがメグ叔母ちゃんだったのよ」
 理沙もフォローに回る。それはまた事実でもある。理沙は最初にメグと接触し俺を知ったのはその後なのだ。
「でも・・マスターの方が能力が高い・・幽体離脱も出来るし、わたしより過去にワープ出来るし・・」
「年齢の違いもあるし、育った環境も違うからでは無いのかなぁ・・過去と決別したいと記憶を封じ込める努力を俺はしていたけど、逆にそれが鮮烈な記憶となっているのかも知れない・・」
 それがどんなに嫌でつらいことだったか・・そう言いたい言葉を俺は飲み込んだ。(続く)


わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 雨になりました。いつものことで2日前から身体予報が出てたようです。一昨日のメチャ寝も、昨日の気力あがらずも雨のせい(笑)それにしても今朝の雨はすごかった。配達を始めた頃は「雨合羽いらなかったかな?」なんて思ってたのですが、途中からすごく降りました。顔を手で拭いながらの配達(笑)そうこうしているうちに梅雨に入るんでしょうねげっそり小雨に今はなっていますが、このまま雨が降らなければ紫陽花撮影始められそうですね。そろそろ咲いている頃です。紫陽花は晴天よりも雨上がりの朝が最高でしょうね。どうしよう(笑)
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